夜更け。
月明かりに鈍く光るギルドナイトの正装が村へ足を踏み入れる。
目指すは外れにある家だ。
しんと静まり返ったそこに
ザッザッと無機質な足音が響いた。
一軒の家の前で止まったその足音。
一人が家の扉をノックした。
『・・・ん?』
眠い目をこすりながらリエッタがノックの音に気付いた。
ルーカスが帰ってきたのだろうか?
しかしルーカスならノックなどなしに入って来るであろう。
『ど、どちら様でしょう?』
恐る恐る問いかけても、返事はない。
嫌な予感がした。
リエッタは隣で眠るルシファを抱える。
眠りを妨げられたその小さな赤子はうぇえんと小さく泣き声をあげたのだ。
瞬間蹴り飛ばされる扉。
立っていたのは夫ではなく
数名のギルドナイト達だった。
『やれやれ。やっと眠ったか』
ルーカスは小さな寝息をたてるルピタにふんわりと微笑むと、その柔らかな頬を指でつつく。
『さぁそろそろ帰ろう。ママ達がしんぱいするぞ』
ルーカスはそう言って森を歩き出した。
その時だった。
村の方が騒がしい。
『何かあったのか?』
ルーカスは足早に村へ戻った。