小説 | ナノ


「大丈夫か?」

「すいません」

まさかのぶっ倒れをしてしまった私は、店のソファーに腰掛け
エースさんから水を貰う。
それを一口飲んでチラリとエースさんを見れば
やれやれと言った表情で笑ってた。

は、恥ずかしい!!

「サキ。お前さ・・・ここ来る前もかなり飲んできたろ?」

「え?」

「何があったかしんねぇが、やけ酒は体に毒だぞ?酒ってぇのは楽しむもんだ」

そう言ってエースさんはポンポンと頭を撫でた。
この人は私の弱いツボを分かってるかのごとく、
がっつんがっつん
突いてくる。

し、ししししかも。
さりげなくサキって
呼び捨てで呼ばれちゃったしね!
ああん。痺れる。

「すいません。ご迷惑おかけして」

「いいって」

店先まで送ってもらった私はペコリと頭を下げた。

「あ、そうだ。これ」

エースさんが差し出したのは
折り畳まれた小さな紙。
何かと思い、受け取って
開いてみれば
アドレスと番号。

こ、これは!!

「え、ええ!?あの、えと」

フガフガする私に、エースさんはニっと笑って

「家ついたら電話して?心配だから」

って。

ああああ!!!
もうほれてまうやろ!!!!
じゃなくて
ほれてまったやろ!!

もう。
私の脳はエースさんモードに
ガッチリ切り替わった。





× | top |
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -