焼いた餅



文字通り、声色が変わる。

「ルパン」

何故、奴に対して御主はそのように明るく振る舞うのか。あの赤い泥棒は毎晩のように茶色い髪のかの女の尻を追い回しているのだぞ。白状だとは思わんのか。大体、御主はあやつを甘やかし過ぎておる。幾度約束を破られれば気づくのだ。その上、あの浮ついた物言いが気に食わん。"絶対"だの"必ず"だのと、軽々しく口にするものではない。…それをやってのけてしまうのが奴なのだが。ええい気安く抱き着いたりするな。拙者とてこの頃は触っておらんのだぞ。御主は奴に甘すぎる。何故拒絶せぬのだ。拙者以外の男に触られても良いと申すのか?大体御主という男は

「…五右ェ門」

「むっ!?」
「瞑想中のとこ悪ぃんだけどもよぉ、そーんなに俺と次元のことが気に食わねってんなら、ちゃあんと自分で管理しときなさいな」
「な、ルパン、貴様…!」
「お前さんがやきもち妬いてた話は次元はしないでおいてやるよ」
「っ…」
「あ、そうだぁ五右ェ門先生?実はパリで良いダイアモンドみっけたんだけどもよぉ、金庫がぶあっついんだこれがまた」
「…助太刀致す…!」
「ありがと、大好きよん!」

くっ…図ったなルパンめ…!



END








120712



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