羽根のように翻る







「なぁ大介、久しぶりなんだし昔みたいにキスくらいしてくれよ」
「語弊がある言い方やめてくれよ…ガキの頃だろ、あんなの挨拶ですって」
「じゃあ挨拶でいいから」
「いーやでーすー」
「いつの間にそんなにけち臭くなったんだい大介は」
「大人になったんですよ」
「ふぅん…大人ねぇ…」
「…何ですか。じろじろと」

「いや、見とれてただけ。」
「ッ…ばっ…かじゃないですか」
「ひどいなぁ」
「………からかうからですよ」
「からかってないよ?事実を述べてるだけ」
「…そういうのからかってるっていうんです」

「………」
「っ…」

「…『大介』」
「ッ」

どくん…っ

「そ、その声反則…っ」
『なーんで?…耳真っ赤だぜ?…大介』
「二世さ…やめて、ほんとに…っ」

『見とれてた、お前に』
「っ…!」
かぁああっ

「からかうなって言っ…」
『からかってなんかねぇよ、…なぁ大介』
「名前で呼ばなっ…」

『キスしてよ…ほら』

「やめ…」

二人の視線が重なる。
あいつがもっと歳をとったら、二世さんみたいになるのかな、とか。

『好きだよ…大介』
「っルパ…」

(駄目だ、俺…っ)

ガチャリ
「なぁぁ〜にやってんのかなぁお二人さん?」
「!」
「…三世、少しは空気読んでくれないか…」
「なんで俺のアジトで俺の親父と相棒がちゅーすんの黙ってみてなきゃなんねぇんだっ」
「…ルパン…!」

「次元、お前ね。もうちょっと警戒心とか持てないわけ?腰のマグナムはお飾り?」
「おいおい三世、それじゃ僕を撃ち殺せっていってるように聞こえるよ?」
「そういってんだよ」
「……正直だね」

「ルパン、あの、なんつーか、ほんとになんもなかったから」
「なにかが起きようとしてたでしょうが」
「…だって二世さんが…!」
「っ…親父ィ…」
「こらこら三世、お願いだからワルサーを下ろしなさい」

「…二度と次元に、」
ばふんっ

「!?」
「煙幕!?」
「――ハッハッハ、アディオス大介!また来るよ!」

「二度とくんなぁっ!」
(古い手ぇつかうなぁこの人も…)


…まぁ、似た者親子ってとこか。








(…しかし声を三世に変えるだけであそこまで反応が違うとはね)

「我が息子ながら…妬けるなぁ」





羽根のように翻る
(君に会うために)










END



 














―――――――――――

声を三世に変えて次元を口説く二世さんでした。



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