「……えっ?!?店長が?!?!?」

出勤2時間前の現在。既に用意も終わり、ゆったりとテレビを見ながら自室で寛いでいたところ、突如として掛かってきた電話の内容に驚いて携帯を落とした。

"店長が何者かに撃たれた"

急いで携帯を拾い、電話口の相手である大吾さんから店長の容態と病院の名前、そして店について一通り伺い通話を切ったが、全くもって状況について行けていなかった。


一度整理しよう。
とりあえず店長の容態は安定している。まだ意識は戻っていないが山は超えたそうだ。
そして大吾さんが付き添っているので何かあれば直ぐに連絡を寄越すとの事だ。

次にお店。襲撃現場がお店の中だったらしい。幸いにも閉店後でお客さんも居らず、従業員も帰宅していた為被害者は店長だけだったようである。店は到底営業出来る状態ではないだろうとの事だが。
何故副店長である私に警察から連絡がないかと言うと、もしもの際は大吾さんへと手回ししていた店長の配慮からだったみたいだ。
もしもって…何かあると予測していたみたいな言い方には少し引っ掛かったけれど。

最後に私の身の振り方であるけれど、義孝さんが私の自宅まで迎えに来てくれるらしかった。

よし、落ち着いた。

とりあえずやる事をやってしまおうと、今日出勤予定の従業員へ片っ端から電話をし、全体メールで再度説明と神室町へ近寄らない様念押して携帯を閉じた。



必要最低限の荷物を丁度詰め終わったところで来訪を告げるチャイムが鳴り、そのまま急いで玄関ホールへ向かうと彼は居た。義孝さんである。

「名前…大丈夫か?」

義孝さんは私の顔を見るなり心配そうな顔でこちらを見つめてきたが、そんなに酷い顔をしていたのだろうか。

「ええ。なんとか。」

"まだ状況は掴めていませんけど"と続ける私に、義孝さんは"それはそうだろう"と言いながら私の荷物を持って、マンションの前に止めていた車へスタスタと歩いていってしまった。




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