6st staiton


「…そうだねぇ
確かに僕は君が作り上げた創造物ではないね」


何秒かの間のあとにそう呟いた

「あなたは何者なんですか教えて下さい」



眞悧は長く高い梯子から、まるで体重のないようにふわりと地に足をつけた


そのまま体をくるっと回転させわたしに向き直った

ピンクの髪が散る



相手への警戒をとかないまま眞悧の目をしっかり見据えた

スクールバッグにキュッと力を入れる


自分の手が湿っているのを感じる


「…そんな怖がらないで
悪いけど君には話せないな」

おどけた調子にさっきまでピリピリしていた空気が和らいだ


「な、なんでですか
めちゃめちゃ気になりますよ」


「んーじゃ僕は幽霊って事にしておいてよ」


「はい?」


「幽霊」


眉間にシワをよせ理解に苦しむ

コツコツと床を鳴らし眞悧の正面にやってきて腕に触れた


「ちゃんと触れるじゃないですか。それに普通に影あるし!昨日ココア飲んでたし!」


「ははは、うんそうだね」

「え!なんですか!ミステリアスすぎます」


腹を抱えて笑いだした眞悧
(失礼なやつめ…)


「わけわからん」


「まあまあ
あ、そうだ。君に協力してもらいたい事があるんだけど」


「いきなり!?
ピンク頭の胡散臭い人の頼みなんて聞きませんよ!
つかなんで友達みたいになってんですか!さっきまでのわたしの緊張をかえせ!」


「あ、緊張してたんだごめんね。」


本当にさっきまでのシリアスな空気は皆無だ


「わー、もうわたし帰ります。なんか一気に疲れた」

「もうちょっとだけお話ししていこうよ」


「えー」

おもいっきり顔をしかめて抗議を示した


「そこまで嫌な顔しないで、若干きずつきました」


心なししゅんと垂れ下がった眉に自尊心が揺らぐ


「えと、あと10分だけなら」







* * *

それから少しお話しをして帰路についた


帰り際
「また明日も来てくれたら眞悧嬉しいです」

とまるで執事のような台詞

それと初めてあった時の刺々しい嫌な感じが無くなったような気がした


「図書館のついでで」

なんとも可愛いげのないものに自分自身を攻めたくなる気持ちが浮上したのは気のせいだと思いたい








おわり

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