Damn it, I love you!


自宅のドアを開けるとそこにはやつがいた。

「おい女、ここで何をしている」
「女じゃないですよう。なまえですよう。いい加減覚えてください。エリートなんでしょ宜野座さん」
そういった女は膝上のレースをひるがえした。淡い紺色がよく映えるしろいあしがパタパタとかけていく。
「…余計なことは覚えない主義なんだ。それより貴様ここで何をしているときいている」
「なまえですよう。宜野座さんがよんでくれるまで宜野座さんのお家居続けますから。覚悟は宜しいですか。」
「宜しくない。ふざけるな。とっとと自分の家に帰れ」
「…」
仏頂面がこちらを睨んでいる。ふくれた頬がマショマロのようだ。
「なんだその顔は」
「いーえべっつにー」
「いいから帰れ。俺はしごとで疲れてるんだ」
「お疲れな宜野座さんのために、じゃじゃーんご飯を作りました」
そういってキッチンを指差して大袈裟に言った。ちいさいからだで大きな行動をする不思議な生き物のようだ。
「話をそらすな。早く帰れ」
ネクタイを緩めてソファーにからだを沈める。淡い紺色がそこらを歩きまわっている。なにがしたいんだ。
「…じつはわたし、宜野座さんに言わなければならないことがあるんです」
「なんだ、聞いてやる。言ってみろ」
急に立ち止まったと思ったら、似合わない真剣な顔をして話をはじめた。相手をするのは面倒だが、ほうっておいたら余計に面倒な事になりかねないので話をきいてやる。
「あのですね、わたし住む家がないんです!」
「あるだろう。隣に。昨日も隣に帰っただろう」
あまりにも馬鹿げたことを言い出したので思わず普通の突っ込みををしてしまった。
「…」
「話は聞いた。はやくかえれ」
右手を軽くあげ手をふる。見送るつもりはない。
「あぁ、もうどんかけ追い出したいんですか!どんだけ〜」
「…なんだそれは」
「わぁ、宜野座さんの冷たい目が怖い。帰ります。あ、でもご飯は食べてくださいよね。残すのは勿体ないんで。じゃっ」

女が帰った後、キッチンに顔をだす。美味しそうな匂いに思わず顔がゆるんだ。


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