明日やろうはばかやろう
「おはよう緑間さん」
「あぁおはよう」
校門に入り、生徒玄関をくぐると前方に緑色をみつけた。右手にはスクールバッグ。左手にはパソコンのマウス。言わずもがなあれはおは朝占いのラッキーアイテムであろう。
「…ふと思ったんだけどさ」
わたしは先をいく緑間さんにおいつき隣の彼を見上げて口をひらいた。
「どうした」
「わたし緑間さんが一人でなにか行動をしているところを想像できません」
「何をいっている。俺は一人で行動くらいできる。お前はバカにしているのか」
こいつ大丈夫かみたいな瞳が上から落ちてくる。がそんなことは気にしない。
「そういう意味じゃなくて。うーんと。君のまわりにはいつも誰かがいるって意味です」
「…別にそんなことはないのだよ」
「そうかな。だってさ、」
「なんなのだよ」
わたしが言葉をつまらせ彼を見上げると、緑頭の彼は急かすようにそういった。もうすぐで教室についてしまうからだろう。わたしと緑間さんは違うクラスなのだ。
「教室だと常に高尾くんと一緒じゃないですか。部活だとみなさんいるし」
「…そうだな」
「ほら」
「ほらじゃないのだよ」
「ほおおらああ」
「ほおおらああでもないのだよ!」
繰り返して指摘する彼は律儀なんだかそうではないのかよくわからない。
「だから登下校はわたしが一緒にいてあげます」
「…は」
わたしの言葉に目をまるくして停止した。レンズの向こうの緑が綺麗だ。
「そもそも恋人ってやつなんだしいいじゃないですか。登下校いれても高尾くんより一緒にいませんよわたし」
「そう…かもしれない」
「だから決まりです。明日から一緒に学校いって一緒におうちに帰りましょう」
「…今日からではないのか」
「はい。明日からで」

今日は見たいアニメがあるとは言うまい。


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