寝坊をして二時間くらい遅いバスに乗るとたまに見かける女子大学生さんが気になります。吉田さんのお姉さんよりは年下だと思う。

目を惹く容姿、綺麗で鮮やかなピンク色の髪を揺らす彼女は誰かを連想させる。最初はそれだけだったはずです。なんとなく僕に似た髪色。友達と同じ髪の色。なんとなくそれだけだったのだがここ最近ではそうでもないようです。
今日わざど登校時間を遅らせてバスに乗り込みました。後ろから二番目のいつもの席に彼女はいた。彼女を見た自分の頬が緩くなっていないかどうか心配です。通路を挟んで反対側の席に静かに腰を下ろす。声をかけるため、緊張しないように昨日綾崎さんの頭をじっくり見てきた。だが、やはり本人を前にすると同じ色だけれど緊張はしてしまう。話をするにしてもまず、何を話そうか。最初は挨拶からだろうか。この時間はおはようございます、こんにちは、どっちだか迷う。よし、こんにちはにしよう。こんにちはなら大体は間違わないはず。笑顔でこんにちはだ。
さぁ、声をかけよう。
せーの、
「あの、これ落ちましたよ」
「…すきです」
「…え?」


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