『Overprotection』
BF前サイト『気分は上々』拍手文

「痛っ!」

59丁目のアパートメントのキッチンで英二が苦痛に顔を歪めていた
ほんの小さな声だったにも関わらず隣室に居たアッシュには英二の声が聞こえた

「英二!?」

隣室の書斎のドアから素晴らしい速さで出てきた彼の人はキッチンに居る英二を見とめるとすぐに傍に寄る

「あ、アッシュ。大丈夫、ちょっと包丁で切っちゃっただけだから」

「大丈夫か?」

何でもないと言わんばかりに左手の指をアッシュの目の前に出したのだが
人差し指にある傷痕から朱色の鮮血が球形をしていたかと思うと滴り落ちた
アッシュはその手を握りしめると徐に傷痕の指先を口元に寄せペロリと舐めたのだ

「!!なっっなっ」

「消毒だよ?オニーチャン」

口端を上げさも当然の如く笑顔を向けるアッシュ
真っ赤な顔で呆然と佇む英二
そして、そこにはボーンズやコングが事の一部始終を固唾を飲んで見守っていた

「ボ・・ボスは英二には過保護だからな・・・」

「あぁ、ちがいねー・・・」

見てはいけないものを見てしまったかのような二人と目が合うと英二は先ほどよりもさらに顔を上気させ座り込んでしまった

「オニーチャンは初心だねぇ」

口元に手をおき笑いを噛み殺すアッシュ
そんな彼を英二はキッと睨むと「アッシュのバカヤロー」と言いながら寝室に行ってしまった
途端に心細い顔をしたアッシュが英二のあとを追って寝室に入っていく
其れを目で追っていたボーンズとコングは静かに部屋をあとにするのだった

「なぁ、コング。新婚の家かと思ったぜ」

「あぁ、ちがいねー。ボスも英二には甘いからな」

拍手ありがとうございます♪

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2012.08.18

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2012.08.18「12.11再掲載 RIU.

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