IZAYOI

23

そこにはスーツをきっちりと着こなしたルーシィの星霊であり、フェアリーテイルの仲間でもある『レオ』がいた
元々、体調が完全で無いグレイはストマックブローをレオに不意打ちでくらい倒れたのだ
倒れるグレイを抱きかかえる姿を見とめ、安堵感が全身を包む

「レオ!!助かった」

「気絶しただけだから大丈夫。ナツ、グレイはルーシィのとこへ連れていくね。それと・・・そこの温室は燃やしちゃって」

ニコリとウィンクをするキザな姿に身の毛がよだつ思いがするが頼りになるのは確かだ
これで一つの懸念が無くなった。あとは鉄竜を倒す!!
ゆっくりと温室の方向へ足を向けながら全身に炎を纏わらせる
勢いをつけ走り出しながら技を繰り出す

『火竜の!!劍角!!!』

『鉄竜の!!咆哮!!!』

「ぐぁっ!!」

「くぅっ」

お互いにくらった衝撃で壁に背中を打ち付ける。

「ちっ、アイツは・・・獅子宮のレオ・・・」

グレイを抱え廊下を走るレオを見とめ苦虫をつぶしたような顔をするガジル

『火竜の鉄拳!!』

ナツは炎を纏った拳をガジルに叩きこむ

「ぐっ!!」

「てめーの相手はオレだっつーの。余所見してんじゃねーよ鉄クズ野郎」

「へっ言うじゃねーか」

『鉄竜剣!!』

鉄の剣が降り注ぐが寸でで横に跳びかわしていく

『火竜の翼撃!!』

炎を纏った両腕を薙ぎ払うようにふるう
お互い一歩も譲らない攻防に汗が流れ落ちていく

「なぁ、あの氷使い。なかなかいい声で啼くなっ」

下卑た笑い声をたてるガジルの顔を凝視する。

(なんて言った?)

「あの白い背中がしなるように反った時なんてゾクってきたぜ」

「・・・・・・。」

何を言ったか初めは理解ができなかった。

「安心しろ?同意の上での行為だからよ」

「っ!!!」

その言葉を一言一言自分の中に反復していくと顔が青ざめると同時に身体の内側から溢れだす憤怒の炎を留めることができなくなった。自制心などむしろ薙ぎ捨て目の前に対峙する相手を睨むと一段と大きな炎を両手に纏った
瞬間的な速さで低い体勢になり床にしっかりと足を踏みしめ地を蹴った

『紅蓮爆炎刃!!!』

炎を纏った両腕を螺旋状に振るうと寸分の狂いも無く斬撃となりガジルが吹き飛ばされていく

「ぐぁぁぁぁぁ・・・」

身を焦がす思いのたけが繰り出した技にナツ自身の魔力も限界だった。その場に膝を落とし吹き飛ばされたガジルを確認する
微かな呻く声が聞こえるがすぐに起き上がれる状態では無いのが見て取れた

「はっ、はぁっはぁっ・・くっ」

ナツは拳を強く握ると起ちあがり、崩れ落ちた鉄竜を一瞥すると焦土と化したその場をあとにした

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2012.01.31(12.10再掲載) RIU.

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