IZAYOI
R18指定(嫌悪感のある描写が含まれる可能性があります)

17
N.Side

「それ、本当か?」

有力な手がかりを得たという情報に久しぶりにギルドを訪れていたナツは目の前にいるエルザを見つめていた

「あぁ、いろんな情報を漁ってみて気になる案件が出てきた」

エルザはミラジェーンに合図をし光ペンを使い空中に図を描いていく
それは一部の闇ギルドの組織図だった

「今、急速に勢力を伸ばしてきているのがこのギルドだ。」

指示した図に描いてあったのは闇ギルド『楽園』

「それの傘下にあたる闇ギルド『ファントム』。まだ新進のギルドで実態は把握されていないが、最近このファントム絡みで誘拐事件が頻発している。それも成年から子供まで・・・。先日、誘拐されかけた子供が運よく助かったのだが、その犯人がファントムの更に傘下の闇ギルドでな、いろいろと話を聞かせてもらった」

そう言ったエルザの顔はドス黒いものを携えていた。

「んな下っ端相手にグレイが連れていかれるとは思えねー・・・」

「うむ。どうやらその『ファントム』というギルドは何やら良くない人体実験をしているようじゃ。」

突然の声に一同が振り返るとギルドマスター『マカロフ』が立っていた

「「「マスター!」」」

「じっちゃん、それって・・・」

「その内容というのはまだ分かってない。誘拐されて戻ってきた者もおるのじゃが・・・廃人同然のようなのじゃ。」

マカロフは神妙な顔をして一同を見回すと軽いため息をついた

「最近では、・・・魔導士が誘拐されておる。正確に言えば行方不明というのかの。それも忽然とな今回のグレイのように。」

一息つくとマカロフは言葉をつづけた

「そこでじゃ、エルザ、ナツ、ルーシィ・・・それにハッピーか、お前たちにファントムギルドの調査を命ずる。多少手荒な真似をしても構わん。但し、隠密に動くのじゃ、隠密にな。」

「はい、マスター」

「うっし、行くぞー」

「ハッピー、私たちも行こう!」

「あい!!」

「では、各自用意をして・・・11時に駅に待ち合わせだ」

「俺はいつでも出発できるぞ!」

勢いづく面々にマカロフは顔を綻ばせその場を後にした


自分の部屋に戻ったマカロフの背後に黒い影がゆらりと忍び寄る

「わしのガキは・・・グレイは無事なんじゃな?」

「あぁ、今んとこはな。もっとも早いとこ助け出さねーと廃人になっちまうがな。ギヒヒ」

「何故にお主は敵ギルドに伝えに来た?」

「このままじゃつまんねーからな。趣向を凝らしたってわけよ」

「今、お前の息の根を止めることもできるのじゃぞ」

マカロフはカラダから溢れる魔力を止めることなく目の前の敵を圧倒し始めた

「既にアイツは俺に囚われ始めてる。それがどういうことかわかるか?」

「・・・・・。」

「俺はどっちでもいいんだぜ。楽しめれば。クックックッ。んじゃ、そろそろ戻るわ。またな、じーさん」

マカロフは消えた影の居た場所を見つめながら深いため息をついた。
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