IZAYOI
R18指定(嫌悪感のある描写が含まれる可能性があります)

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それにしてもここは一体・・・
一人残された部屋の中をよく見回してみても天井近くに格子窓。出入り口は先ほどの二人が出て行ったドアのみだ。
たしか・・・1週間と言っていた。連れてこられてから1週間経っているってことか?
その間の記憶が全くない。これはどういうことなのか。
グレイは額を両手にのせると考え込むが記憶の断片も無いことに気付く
一番新しい記憶は疲れた身体を沈めたベッドまでだった
それにしても煩わしいのは手を動かすとジャラリと嫌な音を出すものだ。

「ちっ・・・」

金属特有の冷たい感触にゾクリとする。

「こんなもん付けやがって、俺は犬じゃねーっつーの」

とにかく、この魔装具のせいで魔法が使えないのは確かだ。カラダに虚脱感が無いのが分かるので吸い取るタイプではないらしい
となると、抑え込むだけか。手首にはめ込まれている金属の輪を触ってみるが継ぎ目が無い。
首元のものも一通り触ってみるがやはり継ぎ目がなかった
となると、どうやって外すのか。着けられているということは外すことができる筈だ。何か鍵でもあるのかもしれない。

考え事をしているとドアをトントンと叩く音が聞こえてきた
ガチャリと開いたドアから入ってきたのは青い髪をした少女だった

「失礼します」

目を伏せたままこちらを見ようともしない。
持っているトレイの上には簡素な食事がのせられていた
テーブルの上にトレイを置くと目を合わせることなくサッと出て行こうとする

「おい、待てよ」

つい声を掛けてしまうと、少女はゆっくりとこちらを振り向いた

「何か?」

無表情なその顔は何を考えているのか感じ取ることもできない

「お前、名前は?」

「ジュビア・・・」

名乗ってもなお、何の感情も表すことが無い顔は大分青白い

「なぁ、ココは一体なんなんだ?」

「ジュビアの口からは何も言えません。あなたの世話係りでしかないので」

「世話係り?」

「はい。1週間前あなたがココに来たときからお世話をしております。」

「なぁ、俺、その1週間の記憶がねーんだけど教えてくれないか?」

ジュビアと名乗った少女の顔を覗きみると一瞬だけ瞳が揺れ動いたように見えた

「・・・・・あなたは従順な試験体です。今は・・・違うようですけど」

「どういうことだ?」

「ジュビアはお世話をしていただけです。毎食飲み物にクスリを混ぜておりました・・・耐性試験として連続での使用が可能かどうか。クスリは昨日の夜までです」

「・・・・呈のいい実験道具ってわけか」

「ジュビアはあなたに食事をお出ししいただけです。昨日まではご自分で食べることもできなかったので介助をしておりました」

「自分で何もできない?」

「はい。あとはガジルさんが・・・」

ハッと顔を上げたジュビアは一部の隙も無い所作で部屋から出て行ってしまった
グレイはテーブルの上の食べ物に目を向けると深いため息をついた- - - - - - - - - -

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