IZAYOI R18指定(嫌悪感のある描写が含まれる可能性があります) |
05 薄暗い森の中にある研究施設では小さな赤い花が栽培されていた。元は自然に極少数自生していたものだが、研究により栽培できるようになったのだ。 「完成したのか?」 闇ギルド『ファントム』のマスターであるジョゼの瞳は冷血な光を宿していた。 「まだでございます。試薬段階ですが、効能に関して言えばほぼ大丈夫かと。」 薄笑いを浮かべながら喋るのは闇ギルド『ファントム』所属魔道士ソル 「ふむ、では試薬の出来を確認する必要があるな。」 「それに関しては鉄竜が既に動いてございます。」 片眼鏡がずれたのか長い指で直しながら陰湿な笑みを浮かべている。 「ふむ。まぁ、あとは任せたぞソル」 マスタージョゼはそう言うと音もなく消えた 後に残るのは微笑むソルと赤い液体と微かに匂う甘い香りだけだった 浴衣の裾の合わせ目から覗く白い肢体には薄らと赤い斑点が散りばめられていた。 黒い髪を汗でべとつかせて脱力しているカラダを愛おしむように抱きしめる桜色の髪をしたナツ。 「グレイ・・・」 事の激しさを物語っているのかピクリとも動かないグレイに囁くが返事は静かな寝息だけ。 浴衣なんて普段はお目に掛かれないものを着ている時点で我慢なんて言葉が空虚なものになっていたのは自覚していた。 風呂上りの火照ったカラダに脱がせやすい浴衣。いや、完全に脱がすことなく事に及べる ものは簡単に自制心を奪い取る 何度となく抱いてきたそのカラダ。その度に愛しさが増すばかりでどうしようもなくなる。 お互いに何故こんなに好きになってしまったのかわからない。女の子が嫌いとかというわけでもない。むしろ、かわいい子は好きだ。 それでも、何故か魅かれる存在である。 どうしてもすぐに自分の中にグレイという存在が足りなくなる。若いからという特権を除いても異常なまでに追い求めてしまっている。悪いとは思っているが止められない。 眠るグレイの手をとって長い指を絡める。手の平からの程よい体温が自分の中に流れこんでくるようで気持ち良いのだ。手は本当に好きな人とならずっと繋いでいられるのかもしれない。 夜が明ける前にもう一度温泉に浸かろう等と考えていたがグレイの体温を感じていたらいつの間にか深い眠りに入っていた - - - - - - - - - - |
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