IZAYOI R18指定(嫌悪感のある描写が含まれる可能性があります) |
04 この職業をやっていると平凡な毎日なんてあり得ないことなんてわかっているし、変化のない日々なんて詰まらない。先の見える未来より、見えない方がいい。その方が面白みがある。 「おい。グレイ?何考え事してんだ?」 ふぃに頭上から聞こえてきた声に振り返ると桜色の頭の上にタオルを乗っけたナツがいた。 ちなみにここは鳳仙花村の旅館備え付けの露天風呂である。 「顔、赤いぞ?」 そういえば、ボーと考え事をしていたせいで湯当たりしたかもしれない。長湯しすぎたか。それでなくても熱いのは苦手だ。 「おう、先上がってるな」 風呂から上がると多少フラフラするものの外気が素肌に気持ち良い。浴衣に着替えたらミックス牛乳でも飲もうなどと考えていたら目の前が暗転した 『あれ?』 何時の間に布団に入ったんだ? たしか、風呂から上がって・・・・。 身じろぎするとすぐ傍から声が聞こえてきた 「グレイ?」 誰の声かはすぐにわかった。というかコイツしか居ないか等と考えていたら額に冷たい感触。 思わず瞼を開いてみるとナツの顔が目の前にあった。さすがに近く過ぎてビビる。 「うわっ」 思わず身体を起こすと冷たいタオルが額から落ちた。その冷たい感触が額から離れてしまったのがなんとなく寂しくて思わずそれを手にとり顔にこすりつける 「まだ、調子悪ぃー?」 心配そうに覗きこんでくると思われるナツを見ることなくタオルを顔に埋めたまま頭を横に振る。というのも恥ずかしくて顔なんて見られない。なんて失態だ。湯当たりで倒れるなんて、この先このネタで弄り倒されるのが目に見えている。くそー。 「おーい。グレイ?顔見せろよ」 そう言ってナツは顔に押し付けていたタオルを取ろうとする。俺は意地でも離さないつもりで掴んでいるが、何と言っても先ほど倒れたばかりで分が悪い。 「おい、ナツ、いい加減にしろっ」 離すまいと必死の俺だったが、急な浮遊感に襲われそのまま後ろに倒れてしまった。もちろん、布団だったので大した衝撃では無かった。 「んだよ。急に離すなっ」 ナツを見ると意地の悪い笑みを見せながら近づいてくる。顔が近づき唇にヒンヤリとした感触が触れた。唇を割って入ってきた物体に一瞬躊躇するものの、気持ち良い存在に簡単に受け入れてしまった。スッと離れた顔を見るとニヤっと笑っている 口の中でコロコロと転がすとだんだんと小さくなっていくソレを名残惜しげに飲み込む 喉を通り腹の奥に落ちていく感触になんとなく頭もスッキリしてきた。 「ありがと・・・」 真っ直ぐ顔を見て言えないのはどうしようもない 「今日はさすがに枕殴りは無理だなー」 いや、枕投げだからという突っ込みは心の中にしまいこむ 布団の上に身を投げてみるともう起きる気がしない。このまま眠ってしまいたい。 しかし、そんなこと無理だろうな思いながら傍にいる桜色を見やると獣じみた目がこちらを見ていた。嫌というわけでは無い。そう思ってしまう自分が恥ずかしい。ただ、此処には二人切りできたわけでは無くエルザ、ルーシィ、ハッピーもいるのだ。部屋が違うだけまだマシとも云えるが。あ、断じて二人切りで来たかったわけでは無い!! 何に対して言い訳してるんだ俺…。 「なぁ、やっぱり浴衣ってエロいな」 不意にナツが頬を赤らめながら言った。明らかに欲情に支配されている。 落ちてくる唇に抗うなんてことはしない。むしろ薄く口を開け招き入れる。嬉々として入ってくる舌を絡め合いお互いを満足するまで味わいあう。角度を変え呼吸をも忘れるほどの激しい口づけに頭が朦朧としてくる しばらくすると、やっと唇が離され抱きしめられた 空気を欲するように荒く肩で息をしていると耳元にナツの唇が落ちてきた 「俺、グレイの事好き過ぎて怖い・・・」 そう言いながらきつく抱きしめてくるナツ 言葉で返す代わりにナツの背中に腕を回し抱きしめ返す 幸せを糧に未来を生きることができるのだろうか。もし、幸せに限界があるなら今の幸せを忘れないようにカラダに刻み付けておきたい - - - - - - - - - - |
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