Halloween Happiness

アッシュは英二が持ってきたキャンディを口の中に頬張ると英二に微笑んだ

「なかなか美味いキャンディじゃないか」

「そう?でもこれ袋には不思議な味って書いてあるよ」

英二はキャンディが入っていた袋に書いてある文字を見ていた
そして、ふと英二は悪戯を思いついたようにニンマリとする

「アッシュ!Treats or treats?」

キャンディの袋は自分が持っているし、アッシュがすぐにお菓子を出せないと踏んでの言葉だった
しかし、腕を取られ倒れ込むようにアッシュに抱きすくめられる
そのまま身体を抱きしめられたまま回転しいつの間にかベッドに押し倒されたような形になった

「ぁ・・あ・・・アッシュ!」

「何?オニイチャン?」

「えっと、この場合、お菓子を出さない君に悪戯するのは僕だろ!?」

英二は顔を上気させ足をばたつかせた
そんな抵抗に綺麗な笑みを零すと英二は一瞬、アッシュの顔に見惚れるように動きがとまった
そんな一瞬を逃がさずアッシュは左手で英二の身体を抱きしめ、右手を頬に手を添えると半開きのその口にそっと口づける
そのまま舌を使って口の中でだいぶ小さくなったキャンディを英二の口の中へ押し込んだ

「Happy Halloween!」

アッシュはにこやかに笑うと英二の頬に軽くキスをした
呆気にとられたままの英二は口の中に広がるキャンディの味にやっと我にかえる

「アッシュぅぅぅ!・・・ん〜?このキャンディやっぱり不思議な味がするね!」

「あぁ、うまいだろ?」

「うん。幸せな味だ!」

口の中のキャンディをカリリと噛み砕くと英二はアッシュの後頭部に手をのせ引き寄せると口づけた
噛み砕かれ小さくなったキャンディを更にアッシュの口腔内に割りいれてきたのだ
普段、英二からのこういったスキンシップの少なさに物足りなさを感じていたアッシュはビックリしていた

「アッシュ、君との幸せを噛みしめているんだよ。な〜んて、ちょっとクサいかな?」

恥かしそうに笑う英二にアッシュも笑顔になる

「オニイチャンも言うようになったね」

再び落とされるキス
目が合うとその翡翠色の瞳の奥に熱を孕んでいるのがわかる
深い口づけに息が苦しくなる
どれだけお互いを必要としているのか、ただ夢中で無意識できっかけなんてわからない
気付いた時には恋に落ちていた
もっともその感情が恋だったと知ったのはだいぶ後での事だったけども
とにかく離れちゃいけなかったんだ

アッシュが触れるところがただ熱くて蕩けるような熱さで
いつの間にか無防備な恰好にされていたけれど
そんな事はどうでもよくて
ただお互い求め合っていた

気を失うように眠りに落ちる寸前に握られた手が幸せに震えた
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2012.11.02 RIU.

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