Halloween Happiness
□注意事項□
こちらのSSはBL要素満載になります
A×EのCPです
言葉の意味が分からない、CPに納得がいかないといった方はブラウザバックにてお戻りください。
アッシュが生きているお話になってます


ハロウィンの前日、それは宅配便によって送られてきた
白い大きな箱にはきっちりと梱包用のテープが貼ってあり配達票の送り先名にマックスの名があった
テーブルの上のその箱を訝しげに見やり目を細めるアッシュ
そこに黒い髪をフワフワさせて英二がやってきた

「アッシュ?どうしたんだい?」

目線だけで白い箱の存在を知らせるとソファにどっかりと座り傍にあった本をパラパラと捲りだす

「ん〜?マックスからだ。中身なんだろう??やけにでかいなぁ」

英二は独り言のように呟きながら梱包用のテープの端を少し伸びかかった爪で剥がそうとガリガリとしていた
ようやく端の方が捲られると小さな声で『よしっ』と呟きテープを思いっきり引っ張りビリリっと剥がした

「このテープが一気にはがれるのが気持ちいいよなぁ」

にんまりと笑う英二をアッシュは本の隙間から目を細めて眺めていたのだが、当の英二はまったく気づいていない
テープがはがれたことによって中身を確認することになるのだが、剥がしたテープが服と手にくっつき悪戦苦闘している英二
やっと離れたテープをゴミ箱に怒りをこめて叩き捨てるとやっと箱と対面できた

「さてさて、何が入ってるのかな?」

その間、敢えて何も口を挟まないアッシュの口の端はわずかに上がっていることにアッシュ本人も気付いていなかった
英二は箱の蓋をガバっと開けると中には薄葉紙に包まれたものがあった

「ん??何だろこれ?」

薄葉紙の中から出てきたのは黒い大きな布だった。それを広げてみようと立ち上がり手を広げてみると軽く英二の姿を隠してしまうほどの大きさだった
そのことに少々不愉快ながらもその布を丁寧に畳んで脇に置くと、更に入っていた服を取り出す
それは黒を基調としたタキシードみたいなものだった。銀色のベストに白いドレスシャツ。先ほどの大きいものはマントだったのかと思い至るが気になる事が

「う〜ん。サイズが・・・」

英二は不満そうに呟くとアッシュに目を走らせた
不意にぶつかる翡翠色の瞳には柔らかな笑み・・・いや悪戯な瞳だった

「英二には大きすぎるな」

「ちぇっ。それくらい見ればわかるよ。あっ」

「ん?どうした?」

「下にも何かあった」

更に箱の中に白い服とともに小物と思しきものが入っていた
なんとなく不吉な予感がしてならないが怖い物みたさというものには抗えない
恐る恐る取り出してみるとなんともかわいらしい白いフワフワしたワンピースだった

「・・・・・。」

眉間に皺を寄せる英二に不思議に思ったアッシュは英二の隣に座りその中身を見た

「何だこれ?」

「マックスは何がしたいんだろう・・・」

白いワンピースとともに入っていたビニールに入った小物を手に取るアッシュはそのビニールを破るとそれを英二の頭の上にのせた
眉間の皺が更に深いものになる英二

「なかなか似合うじゃないか!」

英二とは反対に満面の笑みになるアッシュ
それを恨めしそうに見ながら英二は頭に乗ったそれを取った

「なんで、うさ耳なんだよ・・・」

「似合うぜ?」

「こういうのは小さな女の子がするもんだろ」

ふくれっ面の英二に笑いを噛み殺しながらも箱の中のメッセージカードに気付いたアッシュはそれを指差した
英二はそのカードを開き書いてあるメッセージを読み上げた

「信愛なる二人へ。英二、ごめんなさい。あなたの背格好だと子供用しか用意できなかったの。だけどあなたなら似合うと思うわ。ハロウィンパーティ楽しんでね。Have a spooktacular night!ジェシカ」

「おばさんの方かよ」

「やっぱり子供用か・・・こんなの着てパーティなんていけないよ・・・」

アッシュはガックリと項垂れる英二の肩を励ますように叩くとまたソファに座り本を広げた
しかし、その顔は口の端が上がり小さな笑みを浮かばせていた
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