君のために
(ナツグレ)


彼奴をその気にさせるのは
簡単なことじゃない
非常に苦労するのだ

まずは、いつもの

「おい、パンツ野郎!!服を脱ぎ散らかしてんじゃねーよ」

「んだと、クソ炎。俺がいつ脱いだってんだ」
明らかに既に服を脱いでいる彼奴
とにかく、きっかけはなんだっていいんだ
会ったらまず喧嘩をする

次は・・・

「お!グレイ、何喰ってんだ?俺にも一口喰わせろ」
グレイが食べていたカレーを傍にあったスプーンで一口勝手に喰う。
「いいなんていってねーぞ」
なんて言いながらも怒ってないアイツ
既に朝一で喧嘩してるからある程度の事では怒らなくなっている
「俺のもやるからさっ」
と、言いながら自分が食べていたオムライスを同じスプーンでアイツの口に押し込む
「っ!!」
さりげなく間接キスだ!!
ここでニカっと笑ってやる
彼奴の顔を見ると予想通り、顔に朱が射している。
ここで間違えちゃいけないのが、ギルドの中ではラブラブ感を出さないことだ
彼奴はすっげー恥ずかしがり屋だかんなー
俺としては本当はベタベタしていたい
まじで傍に居たいっあの肌に手を這わせて首筋に噛り付きたい
けど、今夜の為に我慢だーーー
俺って健気だな

メシも喰い終わったので、一時退散する

「よし、ハッピーいくぞ!!グレイ、またあとでなー」

とりあえず、簡単な仕事を片付けるべくその場をあとにする

夜になり、仕事も軽くこなして帰路につく。
「ハッピー、今日はルーシーんちよろしくなっ」
「あい」
ハッピーは良き相棒だ。俺の事をよくわかっている。
俺はその足でギルドに寄らずグレイの家へ向かう

「おーい、グレイいるか?」
窓からだが、とりあえず声をかけながら家に入る

「んだよ、不法侵入野郎」
案の定、いた。
グレイは恥ずかしがり屋な上、すっげー寂しがり屋なのは知っている。
俺が単独で仕事に行くと大抵は不機嫌なんだ。
これが、泊まりがけだと不機嫌通り超して手がつけられなくなる
声には出さないが、丸わかりで可愛いんだよなぁ

「グレイ、会いたかった」
ガバっと抱きつく

「やめっ」
と、言いながらも抵抗する力が弱い
でも、此処で無理強いはしない
軽くキスだけにしておいてやる

真っ赤になった顔がかわいいんだよな〜
そのあとは、お茶を飲みながら軽く話をしたりする。
小説を読みだした彼奴の黒い髪を愛しげに撫でてみる。

「邪魔すんじゃねー」

「読み終わるまで待ってるよ」

俺はそういって不貞腐れたようにベッドに寝転ぶ
そうすると、彼奴はくるんだ
しょうがないなー
なんて言いながら
恥かしがり屋で寂しがり屋、本当はとっても優しい彼奴
俺は彼奴がその気になればいい。
その気になるなら何でもやってやるんだ。

END.
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ナツとグレイの甘いの書いてみたかったけど
不発に終わってしまった感が否めない
RIU
2011.11.01
2012.10.26再掲載

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