うたかたの夢 (ナツグレ) |
漆黒の髪が光に照らされ艶めいている 沈痛な面持ちの彼奴。何か言いたくても躊躇っている様子が伺える。 伏せられた瞳に涙が滲んでいるが意を決したように声が発せられた 『俺・・・・できちゃったかも知れない・・・』 その言葉に俺は何とも言えない感情が沸き立つ。 『本当に?』 コクンと頷くアイツを思わず抱きつき俺はうれしさでいっぱいになった。 『カラダ、大事にしなきゃなっ』 思わずきつく抱きしめてしまったカラダを労わるようにソッと抱きしめなおした そして、薄く色づく唇にキスをした・・・ 「と、言う夢を見たんだ!」 ナツは真剣な表情で言い切った。 ドッと疲れた。コイツ、何を言いだすかと思ったら・・・。ルーシィは『男同志でできるわけないでしょーーー!!』と小気味よい突っ込みをいれ、ハッピーは『ルーシィも早くできるといいね』なんて言うもんだからルーシィとハッピーのノリツッコミが始まった。 それにしてもコイツの頭の中見て見たい・・嫌、見るのは怖い。俺も愛されてるなーなんてとてもじゃないが言えない。むしろ、堂々とこんな事言う奴がいるとは思わなかった。 俺は頭を抱えた。どうも最近のコイツには着いていけそうもない・・・。 俺はとりあえずその場を離れ、カウンター席でミラジェーンと談笑しているロキの隣に座った。 「だーーーー、グレイ!!なんで行くんだよーー」 駆け寄ってきて背中から腕をからませてくる。 「俺は、ロキと大人の会話を楽しみたいんだよ」 つい、そう言ってしまった。 「う・・・」 やべーと思ってナツの顔を見ると眉間に皺を寄せて目がウルウルしいた。 弱い・・・。この捨て犬のような顔をされると弱いんだ・・・。 思わず、ナツを抱き寄せて『ごめん。好きなのはお前だけだから』って呟いた 瞳に光があたり眩しい。なんだろーと思い重い瞼をゆっくり開けてみた。窓から差し込む太陽の光が朝を伝えてくる。軋むカラダを横にすると、ナツの顔が見えた。お互い裸のままだ。 『夢だったのか・・・・・・・。』 昨夜の余韻と心の中で思っていたことが夢となって表れたのかもしれない 今日こそはナツに言おう。『上になってみたいと・・・』 end. - - - - - - - - - - 夢って自由ですよね たまには上になってみたいと言ってみるグレイ君ですが、ナツ君がそんなこと許すはずがありません! RIU 2011.11.8 2012.10.27再掲載 戻る |