Arm pillow
※文庫本10巻A英イチャイチャっぽい



なんでこんな事になったのか自分でもよく分からないがとにかくこの頭の下の程よい硬さの枕は心地よかった
でも・・・
この感触は別に気持ち悪いわけじゃないけど
僕は男だ。

「ねぇ、アッシュ?別にうで枕なんて要らないよ・・・」

「ん?」

英二は上半身を起こしながら隣で眠そうに目をこするアッシュをみやった
アッシュは大きな欠伸をしながら起き上り微かに口端をあげた

「おにーちゃんは枕が無いと寝れないんだろ?しょうがないじゃないか」

「・・・・・枕ぐらい無くても寝れるし」

「遠慮しなくていいぜ?俺の腕は鍛えられてるからな」

「いや、そういう問題じゃなくて・・・」

「何が問題?」

「・・・僕は男だから」

そう言うと英二はアッシュの頭を抱きかかえ先ほどまで横になっていた床に押し倒した
アッシュは目を見開き今、何が起こったのか瞬時に判断することができずにいた
何故なら頭の下には細いながらもしなやかな筋肉のついた腕があったのだ
英二は満足そうにブロンドの頭を抱きかかえるようにうで枕をしていた

「・・・・英二」

「なんだい?アッシュ」

「これは何の冗談だ?」

「冗談だなんてひどいな、僕だって男だよ?うで枕してあげてるんじゃないか」

くすくすと悪戯に笑う英二はどこか楽しそうで、アッシュも釣られるように笑いだした
ブロンドの髪を撫でるように梳く英二の指が何故かとても気持ち良いものでいつの間にか笑い声も止み彼の匂いを肺一杯に吸い込むと安堵感からかすぐに睡魔が襲ってきた

「良い夢を・・・アッシュ」


「んで?何でコイツらは抱き合って寝てんだ?」

呆れたように呟くチャイニーズのBOSSシンの隣にはサングラスをしている為表情が読み取れないブラッディのBOSSケインが居た

「さぁな。まぁ、今だけはゆっくり休ませてやろうぜ」

「ちぇっ」

不貞腐れたように言うシンをケインは小突くように部屋の外へ促す
二人の気配が部屋の中から消えるとアッシュの頬が僅かにあがった
身じろぎするようにもう一度深く深呼吸すると彼の温もりが逃げないように背中に回した腕にほんの少し力を込めた
この掛け替えの無いひと時を束の間の安らぎを忘れないために


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2011.09.11 RIU.

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