魔女の薬にご用心



できましたわ・・・

できましたことよ・・・

ありとあらゆる材料を使って


ついに・・・

『うぃっちたんのすぺさるびびんばぐすり』が・・・

できましたわぁぁぁぁぁ!!!!
「うふふふっおっほほほふふふひゃほ―――う!」

ウィッチは意味不明な歓声を上げ青黒くこぽこぽと泡立っている液体入りのフラスコを片手に持ちながらくるくると踊り笑っている

それを横で見るラグナス

「ウィッチ・・・何、そのうぃっちなんたらって・・・名前やたら長いよ!?」

「いらない材料をしこたま使って調合してみたり・・・よくわからないモノが完成してしまいまして〜」

「・・・そんで?」

「今までにない薬品のため、効果がさっぱりわかりませんのよ〜」
「捨てちまえ!」
ラグナスはウィッチからフラスコを取り上げた

「あらっ飲んで下さるの!?」
ウィッチが目を輝かせる

「飲むかっ!!すぐさまコンクリ漬けだ!!!!」

「まーまーそー言わずに・・・誰かに毒味させましょう」

「何さらっとおそろしーこと笑顔で言うのこの人は!?」

「サタンさまがよろしいですわねぇ〜」

「いやいやいや!!話を進めちゃあダメだしっっっ
てかウィッチの手伝いでオレ来たからそろそろ帰らせてくれる!?」
ラグナスがそそくさ〜とその場を去ろうとしたら――

がしっっっ

「ひぃっ!?」

「ダメですわ、ラグナスさん(ニヤリ)」


ウィッチにつかまった―

「ラグナスさんも楽しみましょう♪」

(いやあああああああああああああああああああっっっ)


そして二人はサタンの塔へ向かった―――
(移動手段、ウィッチのホウキ)

その間ずっとウィッチはホホホホホと高笑いをし続けていた―――

―――サタンの塔―――


「おぉ、ウィッチにラグナス、どうした?」
「サタン様・・・ごきげんよろしゅうて」
「・・・・・・・・・(青顔)」

「む?どうしたラグナス、そんなに青い顔をして・・・」

「・・・いや・・・なにも・・・」

「サタンさま、とーとつで悪いのですが・・・」
「何だ?ウィッチ」
「こーの薬を飲んでもらえません?」

ウィッチの持つフラスコには例の薬が―・・・

「え!?Uuちょっウィッチィィィィいきなり出していってもフツーにことわられるよぉぉ!?水とかにまぜてから飲ますでしょ!?ただのバカだよウィッチィィ!?」
「あら☆そんな手もありましたわねっ☆」
「フツーに思いつくよぉぉぉぉぉう!?」



「いいだろう、ウィッチ」
「あら、飲んで下さるの?サタンさま」
「ええええええ!?ちょっオッサン何でフツーにたのみ聞いちゃうの!?やっぱダメだよアンタ!バカ二人!!」
「私はオッサンでもバカでもない!!」
「変なトコではるな!!」
「まぁまぁラグナス・・・ささっサタン様♪飲んで下さいまし♪」
「うむ」

「何でオッサン飲もうと考えたの・・・・・・?」
サタンはフラスコを手に取り、ぐびぐびと―――勢い良く薬を飲みほした

「ぶっはぁ――――――ぃ」
「飲みましたわ♪」
「あ・・・あんな青黒くてポコポコと泡が立ってるやつを・・・・・・」
それから三人は日常的な会話をしたがサタンに変化は見られなかった



「あっそーいえばサタン」
「何だ?ラグナス?」

「あのヤバイ感じの薬・・・どんな味がしたの?」

「う〜む・・・あれは・・・何とも言えない味だったなぁ・・・・・・」

「何とも言えないって・・・・・・?」

「うむ、味が無かったのぅ・・・」
「無かったん!?」
「うむ、無かったぞ!」

「そうか・・・てっきりヤバイかんじな味がすると思ってたんだけどな・・・・・・」

ラグナス がっかり


そのまま会話は淡々と続いていき―――


3時間がたった―――ら――

「Σうぐおう!?」

『!?』

サタンは急に苦しそうにしゃがみこむ

「オッサン!?」
「大丈夫ですの!?」

「グ・・・ォ・・・ォォォォ・・・・・・」

「オッサン・・・あの薬はそこまでオッサンを苦しめる薬なのかっ・・・!?」
「まさか・・・毒薬ですの!?」

「ゴッ・・・ァァァァァァァァ!!!!」

――がっっっ

「Σへぎゃァァァッ!?」

サタンはラグナスに抱きついた!

「ぁ・・・ぇ・・・あ?」

ラグナスとウィッチ、ポカンとしている

「ラ・・・グたん・・・・・・」

『たん!?』

サタンはいやらしい吐息をラグナスの首もとにかける
ラグナスは顔が青ざめていくのがわかった

「ラグたぁん・・・す・・・き・・・・・・」

「ギャアアアアアア!?」

どがしっっっ

ラグナスはサタンをつきとばした!
サタンは床にべしゃっと倒れる

「ラグたん・・・・・・ヒドイン・・・・・・・」


「ウィッチ―!?やばいっっっやばいよコレェェェ!?」

「ボーイズラブッ・・・・・・!?」

「ウィッチー!!!!ボーイズラブとか言ってないで何とかしてオッサンをぉぉぉ!?」

「無理ですわ、だってテキトーに調合した薬ですから薬の効果がキレるまで待つしかありません」

「Σイヤァァァァァァァァ!?」

「ラグたん・・・♪」

サタンはムクリと起き上がる

「オッサンっ・・・やめっ・・・ちょっ・・・」

「あいしてるぞぉぉぉぉぉ♪♪♪」

「イヤァァァ!?♪とかキモォォォォォ!?」

ラグナスは全力疾走で塔からダッシュした
サタンは翼を使ってラグナスをおいかける

サタンの塔にウィッチがポツンといた・・・・・・

「・・・・・・まぁ・・・でもおもしろい薬がぐーぜんにも出来てしまいましたわね――」

ウィッチ 満足気

―――と そこへ・・・・・・


「サタン様――――♪♪♪」

バァンッと威勢よく扉を開けて入ってきたのはルルー


「あら、ルルーさん」
「ウィッチじゃない、サタン様は?」
ウィッチはまよった、例の件をルルーに言うべきか

「サタン様・・・いらっしゃらないみたいだけど・・・ウィッチ・・・何か知ってる?」



ウィッチは


例の件をルルーに言う事を決意した



なぜなら―――

(ますますおもしろくなっていくヨ・カ・ン・で・す・わぁ〜〜〜〜〜〜〜☆★☆)

ウィッチ、ニタァ〜〜〜と嫌な笑みをした

「ウィッチ・・・こわいわよ・・・・・・」

ルルーはドン引きしたのは言うまでもない


「実わぁ・・・ルルーさんん・・・」




かくかくしかじか・・・・・・


「・・・・・・・・何ですってぇぇぇ!?サタン様が薬の影響でボーイラブに!?今の犠牲者はラグナス!?そんなのゆるさないわ!サタン様の妻は私よ!
サタン様ァァァ〜このルルーがあなたを正気に戻してさし上げますわぁぁぁ〜!!」



ルルーは大扉を破壊し疾走して行った―


「さて、私も様子を見てまいしましょう フフフ・・・」



ウィッチはまたニタァ〜と笑うとホウキにまたがりサタンの塔を後にした―

そのころ

ラグナスとサタン



「ラグたぁぁぁぁん♪♪私の愛を受け取ってぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「来るなぁぁぁぁオッサァァァァン!!!!」

二人は相変わらず全力疾走中


その様子をアルルとシェゾが見ていた―


「何だ?あの二人は・・・・・・」
「サタンは今日もこわれてるねぇ〜」

アルルはべっとりとシェゾに抱きついている

彼女からは大好きオーラが大放出していた
シェゾはアルルの行為に多少うっとおしいと思っている


この二人はつき合っていない

シェゾ一途なアルルは彼にふり向いてほしくていつも積極的な行動に出ている

シェゾはアルルに対しどう思っているのかは現時点では全く不明である

「しぇ〜ぞぉ〜♪♪♪」
「・・・・・・何だ?」

「これからお買い物につきあってよぅ」
「・・・なぜだ?」

「いいじゃんかぁ〜別にィ〜〜〜」

アルルはほっぺをぷぅとふくらませる

「いこ―っいこ―――っ!」

アルルはシェゾの服のそでをぐいぐいとひっぱる

「Uuわかったわかった・・・少しぐらいならつきあってやる

「やったぁ♪♪♪」

二人は街へと出かけて行った―――


ラグナスとサタンに視点を戻す


二人は森の中にいた

「ハァッ・・・ハァッ・・・ハァッ・・・・・」

ラグナスはつかれ果ててその場にぐったりと座り込んだ

「ラグたん・・・♪」
「んんっ!?」

サタンは後ろからラグナスに抱きついた

「サ・・・タン・・・・・・」
「ラグたん・・・・・・♪」

サタンはラグナスの首元にたくん たくさん口づけた

「ふっ・・・あぁ・・・」

ラグナスから切ない吐息がもれる

サタンはラグナスの耳をなめて甘かみする

「んふっ・・・あ・・・ぁ・・・」


「ラグたん・・・愛しているぞ・・・」

「あふ・・・・・・ぅ・・・んん・・・」

サタンはラグナスの服をぬがせようと、引っぱる

「んぁ・・・やめ・・・ろ・・・サタ・・・ン・・・」

「誰も・・・見てはいない・・・」


「サタン様ァァァァァ!!!!」

ルルーが突然現れサタンにローキックをかました!

『ほげぎょぉ!?」

サタン、ふっとぶ


「ルっルルー!」

「ラグナス!?大丈夫!?」

「あ・・・あぁ・・・あやうくオッサンにおそわれる所だった・・・・・・」
「サタン様・・・ひどいですわ・・・」

サタンはむくりと起き上がる

「・・・んー?ここは一体・・・私は今まで何をしていたのだ・・・・・・?」


「サタン様ァァァァァ!?ひどいですわっ!あんなっ・・・男なんかとこんな森の中であんな事やこんな事をしようだなんてっっっ」

「そーだぞサタン!ちょっとこの話が裏いきになる所だったぞ!!しかも男×男のっ・・・」


「な・・・なんの事だ?」


薬のききめが切れて我に返ったサタンは何も覚えていない

「ゆるしませんわぁぁぁ女王乱舞!」
「死ねぇぇぇ!ファイナルクロス!!」

―――アルルとシェゾ―――

「・・・・・・・・・・?」
「どーしたのぅ?シェゾぅ?」

「いや・・・何か・・・悲鳴が聞こえたような・・・」
「気のせいだよぅ〜ねぇシェゾぅ♪買い物帰りにシェゾの家によってってい〜い?」

アルルはうるうるとした瞳でシェゾを見つめた

「やれやれ・・・・・・」

―――ウィッチ―――


「久々に・・・おもしろいお薬が出来ましたわね・・・さっそくレシピにメモしておきましょう♪今度はアルルさんに飲ませてもおもしろい気がしますわっ♪」


ウィッチはこの上ないあやしい笑みを浮かべ自宅に帰って行った――

魔女の薬にごようじん






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