第一説 鼓動




唸り声が聞こえる



             呻き声が聞こえる




 いつか聞いた声





          いつか感じた力










サタンは塔の地下に繋げている神殿から異質な気配を感じ、急遽最奥地へと向かっていた。

「一体どうしたことかっ!?まさか・・・まさか【奴】が!?」

嫌な予感がする。

この力 この邪気 この圧力

サタンは覚悟を決めて最奥地の扉をひらく。その奥に広がるのは・・・歪んだ空間。
巨大な瞳をもつ丸い異形の存在が佇んでいた・・・











唸り声が聞こえる



             呻き声が聞こえる




 いつか聞いた声





          いつか見た姿
















「これは・・・まずいことになったぞ・・・」
















         

ねえねえ 知ってる? 最近校長の姿を見ないのよねー?

ああ、あの人 どうしちゃったのかな?

まーたどこかで遊んでるんでしょ?この間なんか関係者らしき人に怒られてたじゃない

いい大人なんだから、少しは落ち着いてもらいたいものね






魔導師の卵達が通う【魔導学校】。そこで今、校長が姿を見せないという噂がたちこめていた。
いつもは暇そうに校内をうろつく校長が、ここ数週間全く姿を見せないのだ。
校長室も鍵がかかっており、室内の確認も出来ない。教師達に聞いてもそろって「知らない」と返すだけ。

そんな学園の様子の中・・・全く気にしていない様子の生徒が二名いた。


「あの馬鹿校長サタンのことなんか、ほっとけばいいのによぉ・・・」

教室内 自分の席でぐったりしている茶髪赤目の少年 サイネア・ウィグィィはとなりの双子の姉 メルティア・ウィグィィに面倒くさそうに話しかけた。

「む・・・」メルティアはそれに頷く。
現在下校時刻から4時間は経過している、室内はサイネアとメルティアの二人のみ。・・・そこへ廊下から焦りを感じさせる力強い走る音が聞こえ、二人のいる教室のドアを勢い良く開けて駆けつけてくる一人の茶髪緑目の幼い女の子。

「サラおにいちゃあん、アレもってなあいい?」

女の子は二人の妹 シエラ・ウィグィィ。
忙しなく動き回るシエラにメルティアは少し五月蝿そうな顔をする。

「アレってなんだ?」
「アレをっはやくぅ!!」
「だからアレってなんだよ!?」
「アレだよアレー!!」

妹がアレアレ連呼するのでちょっと短気なサイネアは『うがぁあああああああ』と吠える。
彼と違い、常に落ち着いているメルティアは、シエラの目線が彼の授業用の小さく白い棒状の杖にいっているのを確認していた。だが 言わない。

「早くっしないとジェルおねえちゃんがっ!!」
「は?」

三人の姉 アルジェリス・ウィグィィ。
とても母親にそっくりな彼女は校内で一番の問題児として有名、いつも小さな事で事件をおこす彼女に今日も【おふれ】が出ており・・・・・・

「なんか今日の【おふれ】は【捕らえたら低い成績チャラにする】とか書いてあって、それで不良の学生たちがおねえちゃんを捕まえようと・・・」
「ならさっさと助けにいかねえと!」
「その必要はなくて・・・」
「え?何で??」


「ジェルおねえちゃん・・・なんか一人で不良をみんなやっつけたんだけど・・・」
「ほうほう」
「『ぬわぁんでボクが捕獲されにゃならんのじゃぁぁあああ!!』って怒っちゃって・・・今校舎壊しまわってて・・・」

そのとき、ちょうど校舎ががたがたと揺れた。おそらく魔法の余波かなにかだろう

「・・・・・・」


「なんたる女だ・・・」とメルティアはぼそっと呟いた。

「ジェルおねえちゃんを気絶させようと魔法を唱えようとしたんだけど・・・ぼく、杖を家に忘れてきちゃって・・・だからサラおにいちゃんに杖を借りようと・・・」
「あー・・・アレって杖か」

校内は校長の不思議な結界に張り巡らされており、生徒は校長から配布される杖がなければ魔法が使えない。
サイネアは懐から杖を取り出すと シエラにそれを手渡した。

「ありがとっ!ジェルおねえちゃんはぼくにまかせてっ!二人は帰らないのー?」


「あ」



「帰るか」



二人とも、帰る事をすっかりわすれていた・・・

「そういえばさ メル」

いつもの学校からの帰り道、ぶらぶらと寄り道をしながら帰る二人はいつもの通りだらだらと会話をする。

「古代魔導の授業・・・先生変わるんだとよ」
「・・・なんで?」
「今の先生、産休だから戻ってくるまでの間に代わりの先生がくるんだと」
「・・・」
「あの校長が直々に頼み込んだっていうから凄腕の実力者らしいぜ〜」
「ふーん」

メルティアはあまり興味を示していない。
彼女は『古代魔導はわからん』と言い、いつもさぼっているのだ。


「メルー、もしかしたらもうさぼれなくなるかもなあ・・・前の先生は優しかったからなあ〜」

それを聞いて落ち込むメルティア。彼女が古代魔導を嫌うのは【古代文字】がイマイチ理解できないからだ。


「いやだ・・・・・・・・」


とぼとぼ歩くメルティアを、サイネアは無理矢理引っ張りながら   自宅に向かっていった・・・・・・




その二人を見つめるひとつの影


それに二人は気づく事はなかった・・・・・・

ーーー世界の中央に天高くそびえる塔 その中にサタンは一人の青年と対峙していた。

「久しぶりだな、勇者ラグナス・ビシャシ。ラストラグナロク以来か・・・」

ラグナスは何も言わず、ただサタンを見つめている。

「すまぬな・・・せっかく元いたガイアースでの活動中に呼び出してしまって・・・」

ラグナスは 静かに ゆっくりと サタンに近づく 

「実は、だな 次元魔おむぎゃんっ!?」

サタンはラグナスにひと蹴りくらい バランスを崩して倒れた。

「ひどぉい!!何するのお!!」
「あんたが真面目だと・・・なんかイライラすんだよ!!」
「いいではないか!!別に真面目でもお!!」
「こちとら戦争が終わってゆっくりしていたところにこれだよ!!疲れてんだよ休ませろよ糞が!!」
「こっちだってほんとは呼び出したくなかったもん!!私をいじめるから!!」
「あんたが馬鹿で偉そうでドジでうざいからだよ!!」
「それでも勇者!?勇者なの!?ねえ!!」
「うざい!!」

ラグナスはげしげしとサタンの頭を蹴る。(サタンはまだ倒れている)

「むぐっむぎっ・・・ひどっ・・・最初の頃の・・・あの好青年っぷりは何だった・・・・の・・・・」
「これが俺の本性だよ!!ヒャッハー!!」

光の勇者 ラグナス・ビシャシ
彼は勇者に相応しい風貌と優しさをもって人と接する・・・が、サタンの前だと何かに取り憑かれたかのように性格が邪悪に歪む。
変な漫才を繰り広げる二人の耳に・・・聞き覚えのある呻き声が届いた。

ラグナスは、この忘れる事の出来ない声を聞いて サタン虐めを中断する。


「この声は・・・どうゆうことだサタン!!あんたまた暇だからって何かやらかしたのか!?」
「ぐふっ・・・私は何もしていない!!先ほど急にこの塔の地下神殿に現れたのだ!!それをお前に知らせようと・・・」
「そうゆうことは早く言えこの馬鹿!!」
「ばっ・・・馬鹿じゃないもんん!!」

サタンはよよよーとすすり泣きをする。
そのサタンを無視し、ラグナスは急いで神殿へ向かう。光の剣 リアクターブレードを片手に。

サタンはその様子を見送った後、立ち上がり 塔の窓から世界の風景を見つめる・・・・・・


「どうしたものか・・・これはアルル達に知らせるべきか・・・それとも新たな可能性を秘める二人の子供達に託すのも・・・


ふむ、これは  悩ましいところだな・・・・・・」






次元魔王 ヨグ・フォートスの復活


平和を取り戻したはずの世界に 再び悲劇が訪れようとしているのを 可能性を秘める少年達は知る由も無かった・・・・・・



†あとがき




おはこんにちばんは 作者もとい管理人です。

初めましての方は初めまして。

お久しぶりの方はお久しぶりです。


なんやかんやありましたが 無事に復活を果たしました!

(※え?復活?何の事?な方はブログへどうぞ)

3・4年も経てばいろいろかわりますね・・・まあ細かい事は置いといて、今回の作者コメントをば。




ぶっちゃけヨグのことはうまく書けるか自信が・・・
まだゲームは二周目の途中だしぃ・・・
tvゲーはわくぷよの攻略(3周目)始めちゃったしぃ・・・
(わくぷよってレベルどこまであがるのかしら・・・シェゾで【おうごんのりんご食いまくり】実験したらなんか200を超えたんですけどぉ・・・・・・)





魔導学校の校長は・・・サタンで合ってます・・・よね?

今回何か設定でおかしいところがあったらメールで指摘してください!!(;ω;)

今作は二次創作なのでキャラの説明は大幅はぶいてます だからキャラクター紹介ページは見た方がいいかも・・・とくにオリジナルのサイネアたちは ここでも書きますが 一応主人公は双子です。サイネアとメルティアです。





あとシエラはもともとの設定ではぶっちゃけ男の子でした・・・が!

今回新連載書くにつれ、前の小説から サイネア メルティア シエラ シルヴィーナ の4人はデザインを変更しました。(その他の子供達は新キャラです。追加キャラです。)

デザイン変更のとき・・・シエラが一番変化をとげました・・・ 一次キャラのサナリちゃんみたいなふりふり可愛い服を着せたらまあ可愛いこと でもこのままだと男の娘に・・・・・いけねええええええええええええええええええええええええうわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!???

・・・・・となり、急遽女の子に変更 でも一人称は「ぼく」のままです。僕っ子可愛いよ。



アルジェリスはアルル似ですが・・・性格はアルル+シェゾです だからアルルみたいに天使なところもあれば・・・昔若き日のシェゾの乱暴なところもあります。 とんでもない娘だな。

つーかこのこはDアルルです。



メルちゃんは文字の読み書きが苦手という設定なので、授業の話は古代魔導ばかりを書く・・・と思います
(それに新しい先生はあの人だしね)
例の期末テストとかも理不尽さ全開で書こうかと・・・

ヨグの問題が起きつつ、サラたちの日常話もやりますよ

当分 サラたちはヨグに関わりませんしね。


それとメルに関しては殆ど背景描写に紛れ込んで台詞は一言二言だけですが そうゆうキャラです。
クールとかな性格ではありませんが・・・とりあえず殆どマシなことは語りません。
(ハレグゥのグゥみたいな感じ)

「じゃあなんで主人公なんだ なんでレギュラーなんだ 空気だろ」と思いになるでしょうが・・・ぼちぼちと彼女なりのキャラが出てきますよ?
彼女 変態さんなんです

シェゾの変態な性格を受け継いでいるのです・・・しかも重傷レベルの。
まあ変態にもいろいろありますが・・・SS魔導のシェゾの変態をそのまま持ってきました。
現在のシェゾは子沢山で俺の嫁命!なシリアスキャラですからねぇ・・・あれ ちがう?(とてもそんなキャラはできないわあ)



ラグナスとサタン この二人の掛け合いにはいつも悩みます。
ギャグをなるたけ取り入れて面白くするには重要な二人なのですが・・・(作者のくせにどうしてもラグナスのヒャッハー!!に吹くwww)
あまりギャグを引っ張りすぎると台本になるし話も進まない・・・・・・ここでいつもペンが止まります。
この二人の掛け合いは見せ所であり一番悩むところなのです。あーあ。ここでウィッチが絡むと更にややこしいことになるんですよねえ・・・彼女もサタンを虐めますし。

でも過去に読み切りでサタンふるぼっこ話は書いてるんですよね・・・またかくか とりあえずネタが切れたらサタンを虐めればいいや。


☆サタン虐めのお決まりの流れ(超簡略版)☆

サタンが何らかの形でアルルらと絡む

ラグナス「虐めてやるぜヒャッハー!!」

ウィッチ「新作の薬飲ませてやるぜヒャッハー!!」

サタン「(;ω;)」

ルルーがきてサタンを庇うような行動をおこす

ばきべきごきもにょ

でも結局ルルーのせいでサタンは重傷になる

ルルー サタンを苦しめている自覚無し




大体こんな感じ?
(駄目だ・・・ヒャッハーで吹くwww)




じゃあ・・・今回のあとがきはこれで閉めますw

ではでは また2説のあとがきにて会いましょう!ノシ


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