第二話 いきなりピンチ!?超不安な新戦士!




【ニューヒロイン登場!】

その言葉が真っ先に一菜...エゼラーナの中に浮かんでいた。

「うわぁ〜目が青い...別人みたいだー」

公園の池の水面に映る自分を見る一菜。

「今からエゼラーナとしてあの女...ヨクコを懲らしめるんだ!」
「指輪戦士ならできるですのー!!」

またもやウサギ二匹はせかす。

「とっとりあえず...あのヨクコって女を倒せばいーのね?」

ヨクコの方へ振り返り キッと睨む
相手もまた こちらを睨みつけている

「ムッキイイイイイイィィィィィィィ!!リターなんかがシステムを起動させていたなんてぇぇ...
ふっふっふーん所詮!あの弱いリターの戦士!弱っちいに決まってるわ!」

たらたらと語った後、ヨクコは片手を振りかざすと、エゼラーナの前に大きな陰が現れ.........

「なっなにこれーっ!?」

園児が描いたかのような巨大な怪獣が現れた!

「ホォーホホホホホホホ!あたくしの可愛いペットちゃん!その小賢しい小娘を踏んづけちゃってぇー!!」

怪獣は「がーおー」と気の抜けるような雄叫びをあげると、大きな足音をたてながらこちらに向かって歩いてくる。

「な なぁんか気が抜ける......」
「いけぇー!!エゼラーナァー!!」
「あれは【モンスター】ですの!指輪戦士ならやっつけられるですのー!!」

まあ このまま突っ立っているだけでは何のために変身したんだか 
エゼラーナは決意して怪獣のもとへ走っていった........

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉおっぉぉ!!!!」

......................のだが

べちんっ!

「ぶべらっ!?」

見事に怪獣の尾によって顔がビンタされ、地面に叩き付けられた。

「「ああ〜.........」」

戦士の無惨な姿を見てため息がでたネルとラル。
怪獣はエゼラーナに突進してくる。

「ひぎゃああ!?」

素早く立ち上がり逃げ惑うエゼラーナ、情けない彼女のもとに二匹は飛び込んでいき

「何やってんだエゼラーナ!!」
「にげちゃだめですのー!モンスターをやっつけるですの!!」

エゼラーナを説得する。

「だっ...だってさ べちって べちってやられたよっ あのでかい尻尾反則っ だいたい人間相手ならともかくっ あんなの相手にならないってばあ!!」
「こんのっ...馬鹿者!!」

ネルは長い尻尾でエゼラーナの頭をスパンッとひっぱたく。

「いったあ...何すんのよ!!」

ようやく立ち止まるエゼラーナ、その背後からは着々と怪獣が迫ってくる。

「オレらが頼りに出来るのはエゼラーナ!オメーだけなんだよ!」
「だぁーからあ!私には無理って言ってんでしょーが!」
「ウーガァァァァ!!いいか!!よく聞けエゼラーナ!!指輪戦士ってのはなあ......特別な戦闘要員なんだよっ!
今変身したオメーの体は限界を超えた肉体強化がされてて、ちょっとやそっとじゃやられねえ!
それに加えてあのヨクコが使っていたような魔法も使えるんだ!」
「指輪戦士ならあのモンスターを【倒せる】んですのー!!ラルたちがほしょうするですのー!」
「んなこと言われたって......え!?」

すぐ真後ろに怪獣が迫っており、尾で叩きつけてきたのをエゼラーナはとっさの判断で飛び上がりかわす。
勢いがついたのか、巨大な怪獣の頭上まで飛び上がった。

「うわ.....すごい」

今の彼女の位置は怪獣の背後

「今だっ!」

ネルの言葉が合図になり、エゼラーナは怪獣を蹴り倒す!
重い地響きをたてながら倒れる怪獣。

「たったひと蹴りで怪獣が...今の私、本当にどうなっちゃってんの?」
「エゼラーナ!チャーンス!!」
「あたまにうかぶことばにしたがうですのー!!」

変身したときに...何かが自動的にプログラムされたかの様......インプットされている言葉が次々と浮かんでいく!その一つを彼女は唱える。

「ウェポンセェットォ!!エゼラーナソード!!」

右手に十字架を象ったかのような赤い剣が握りしめられた。

勝利を確信したかのように エゼラーナの顔には笑みが浮かび上がる。

「......しゃあ!何かすごい力があふれてくるっ......とっ止められないっ いっくぞぉー!!」

剣は強い光を発しだす その剣を構えて...........

「リングナイト・エゼラーナ・シャインフィールド!!」

剣を大きく振りかざす 剣の刃から光が溢れ出し洪水のように怪獣に向かって降りそそぐ。

「がぁ〜〜〜〜〜〜〜おぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

その光に包まれて.......怪獣は消えた。

「んがぁああああぁ!たかが小娘と侮ったわ!次は容赦しないわよぉ!!」

ヨクコはそう吐き捨てて去った。
それと同時にエゼラーナの体が弱く発光し、元の姿に戻った。

「あれ〜もどっちゃった...?」
「戦う必要がなくなれば自動的に戻るぜ。」
「だいじょうぶですの、いつでも指輪にじゅもんをとなえれば変身できるんですの〜」

一菜は右手人差し指にはめられた指輪を眺める。不思議なことにその指輪はサイズがぴったりで、簡単に取り外しが出来るが......

「はずしちゃだめですのぉ!」
「ヨクコみてーな奴らは、またいつ現れるかわからねーよ!いつでも変身できるよう常に装着しとけ!」

なんか外すことを二匹から全力で否定された。

「ヨクコみたいな奴が他にもいるの〜?」

まだ戦えと申すかこのウサギどもは。

「おうよ、ダークミストって組織と戦ってもらうぜ!」
「【アジト】にあんないするですの、くわしいことはそこでおはなしするですの〜」
「ええぇ〜!?」

なんだか とんでもなく果てしない道に入ってしまった.......と 二匹のウサギに連れられつつ、途方に暮れる一菜であった。




「あのおねーたん 変身してたのだ かっこいいのだ〜」

その一菜たちの様子を陰からみる小さな気配に 彼女たちは気づかなかった.............



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