第一話 伝説の始まり!リングエゼラーナ誕生!



白川一菜は今日一日ついていなかった。(勿論、運的な意味で)
現代語訳、体育、英語、音楽その他諸々...
つまらないミスを何度もしでかして成績判定ががた落ちをしてしまった。

そんなこんなで下校時間の今、彼女は機嫌が悪くムシャクシャしていたのだ。
そんな彼女の目に飛び込んできたのは.......

「やっやめてくださいっ!」

同級生くらいの女子が 一人のちょっと不良そうな男子に絡まれていた。
女子の方は一菜はよく知る人物で、クラスメイトの一人であり人気モデルの岩上ゆい である。
ぶっちゃけ ゆい が男に絡まれるのはよくある光景なので一菜はボーっとそれをみていたのだが...今回の男はどうも様子が違う。

しつこく しつこく とにかくしつこく ゆいを連れ出そうとしているのだ。
このままほうっておくのは道徳心にかける...そう判断した一菜はようやく行動にうつることにした。

「おい そこの野郎。」

機嫌が悪いため、言葉が荒い。
一菜の声を聞いた男が振り返る...と、同時に既に決着がついていた。男は先手を打たれ、殴り倒されて背中を踏みつけられていた。「ぐえぇ...」と男はうめき声を上げる。
一菜は運動神経が良いことと、喧嘩がかなり強いことが最大の取り柄である。加えて今は機嫌が悪いことに身を任せてつい荒技に出てしまった。

「白川さん...すごい...」

ゆい は一瞬で起きた出来事に目が釘付けになっていた。
一菜はルックスや身なりがボーイッシュなこともあり、ゆい には一菜がかっこいいヒーローに映って見えていた。

「岩上さん、さっさと逃げなよ。」
「うん...ありがとう白川さん!」

ゆい は一菜にお礼を言うと、一目散に走り去っていった...

「しつっこい男は嫌われるよ〜?」

一菜は男に対し、馬鹿にしたように吐き捨ててもうひと蹴り入れた後、速やかにその場を去った。
  
男を懲らしめたのは良いが気分がまだすぐれないので、よく行く自宅近くの小さな公園に寄ることにした。
小さく人気の無い公園は一菜にとって心地の良い憩いの場......なのだが今日は少し様子が違っていた。
何やら騒がしい。ギャアギャアと声が聞こえるので入り口で立ち止まり悩んでいた一菜だが、意を決して様子を見に行くことにした。

そこには.......黒髪セクシーな格好をした一人の女が、二匹のウサギ(?)を追いつめている図が伺えた。

「ギャアアァ!近寄るなぁ!!」
「いやですのー!こないでですのー!!」

一菜は驚きを隠せなかった。
何せぬいぐるみのような外見のウサギが表情をころころさせたり喋っていたりと常識外れなのだから.......

「リターはどこよ?さっさとこちらに寄越しなさい!」

女は二匹を睨みつけて攻め立てる。それに怯えるウサギ...
女は追いかけウサギは逃げる、その光景がしばらく続いていたが

「このちょこざいな!」

女はしびれを切らしたのか怒りをあらわにする。
「ん?」と一菜は異変に気づく
女の周辺に、ピリピリと静電気のような音がたち始めた。

「「あ...あわわわわ......」」

二匹のウサギは真っ青になって怯える。

ヤバい。何が起きるかわからないがこのまま見捨てるなんて人間として道徳心がかけるのではないか。(二回目)
一菜はそう思い立った後、二匹を助けようとその場に飛び込んだ瞬間

大きな落雷が二匹目掛けて  落ちた

焦げ臭い臭いとパチパチ鳴り響く音、そして黒い煙
それが収まった後...女は信じられない光景を目にしていた。

「......何ですって?」

女は確かにウサギ二匹目掛けて落雷魔法を落とした、命中したはずなのに二匹は無傷、とうぜん一菜も
それには訳があった。

白いウサギ ラルの持っている指輪の一つが 白く 綺麗な光を発光させて輝いている。
その光が女の目を眩ませる

「グアァ!眩しい.........」

光は 一菜と二匹に対してはこの上ない極上の癒しの効果をもたらしている。
一菜は輝く指輪を見て唖然としている。
嬉しそうな表情になるネルとラル

「指輪が...ひかっているですのー!!」
「おおお〜!!まさかここで見つかるなんて、ついてるぜオレたち!!」

ラルは輝く指輪をポンっと一菜に手渡す。
「はい......?」その行動が理解できない一菜。

「おいっお前!名前はなんてーんだ?」
「し...白川一菜だけど...?」
「そうか!オレはネル、白いのはラルだ!頼む、あの黒髪女...ヨクコと戦ってくれ!」

戦う      戦う?    戦う!?

「えっちょちょちょちょちょちょぉーっと!ちょっと待って!!何、何言ってんの!?戦う!?アレとぉ!?あの雷落とした女と!?ジョーダンじゃないっしょぉ!!」

殴り合いならともかく.......相手は人並み外れた力を持っている、戦えないし勝てっこない 普通は。
ラルは渡した指輪を一菜の右手人差し指にはめる。

「これで指輪戦士(リングナイト)にへんしんするですのっ!そしたらあの女とたたかえるですのー!!」
「りんぐ...なにそれ?」

よくわからない単語を聞かされ、あっけにとられる一菜だが二匹は彼女をせかす。

「時間がねーんだ!オメーに選択の余地はねえよ!ほらさっさと変身しやがれ!」
「リングナイト・コスチュームチェンジって叫ぶですのー!!」
「え?こす...?」
「「さっさと変身しろー!!(ですのー!!)」」

二匹のせかしは全開状態、耐えられなくなった一菜は「わかったわよー!!やりゃあいいんでしょやりゃあ!!どーなっても知らないかんねぇー!!」とヤケクソになり 唱えた

「リングナイト・コスチュームチェェェェェェェンジィ!!!!」

指輪が一際輝きだし、光は一菜を包み込む......

その様子を見たヨクコは「あの小娘がリターの戦士だったのか!?」と悔しそうに顔を歪めていた。

光は静かに...ゆっくりと消えていき.......

一菜は見知らぬ格好に 知らぬ衣を身にまとっていた。

そしてインプットされているかのように 一菜は声高らかに語りだした!

「汚れなき...一筋の光!リングエゼラーナ!!ここにぃっ見っ参!!」

「「キャー!!成功だぜ!!(ですのー!!)」」

一菜..........エゼラーナの様子に大満足の二匹。
悔しそうにするヨクコ そして

「.........て、何じゃあそれぇぇぇ!!何変なこと言ってんの私ィィィ!!」

先ほどの名乗り行為が自我とは関係なく発生し赤面する一菜。

「あれ......なんか髪の毛がすっごいのびてるし...何か赤ーい」

今 ここに 指輪戦士伝説(リングナイトレジェンド)が誕生したのである......



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