第4話2/2
「ではこちらから紹介するね。私はまぁみんな知ってると思うけど、咲原米紅です。こっちは助手の2人。」
「柳蓮二です。」
「幸村精市です。」
「確か助手さんたち、ブン太たちと同い年でしょ?」
「うん。私より1コ下。」
「あたしは米紅と同い年で親友の秋山花梨!おわかりのとおり、警察官。」
花梨は米紅の幼い頃からの友人である。
真田が依頼に来た時、言った『友人』も彼女のことだった。
性格は明るく活発、故に子供っぽいと言われることもしばしば。
「俺は丸井ブン太。シクヨロ。」
「ジャッカル桑原だ。よろしくたのむ。」
1コ下の2人だが、花梨の同僚にあたる。
花梨は1年悩んだすえ、警察官になったからだ。
1コ上には思えない、むしろ下なのではないかとジャッカルは思っている。
「さっき話したとおり、私たちも警備に加わるから。」
「りょーかい。」
ブン太は軽く、返事をする。
3人は何故か、とかは考えない。
署長を信頼しているからだ。
「とりあえず座れよ。」
ジャッカルは探偵組のイスを用意してくれた。
「ありがとう。」
6人は座って、話し合いを始める。
「警備責任者の3人以外の人数は?」
「うーん、確か50人とか言ってたけど。」
花梨の言葉に探偵組は驚いた。
「ご、50人?多くない?」
「だって怪盗仁王の警備が2、3人というわけにはいかなるじゃん?」
「まぁ俺たちも50人はちょっと多いと思ったんだけど。」
人の家だしな、と丸井は続けた。
「怪盗仁王は変装が得意だ。そんな人数では紛れ込んでも気づけないと思うが。」
「柳の言うことはもっともなんだよな。でも何人が適切なのか、俺たちもよくわからないし。」
ジャッカルは困ったように腕を組んだ。
「まずは私たち6人。その他…20人くらいじゃないかな。」
「となると、この場所は1人減らしてこっちは…」
「その紙は?」
「真田さんにFAXしてもらった家の地図。」
丸井は紙をヒラヒラさせながら言った。
「一応警備配置を考えてたんだ。まぁ、修正が必要だけどな。」
「任せろ、簡単に直すぜ…ジャッカルが。」
「俺かよ!」
「漫才はあとでにして。」
花梨は手厳しい意見をスパッと言った。
「私たちは明日、現地で確認するんだよね。」
「行くんだ?じゃああたしたちのぶんまでよろしく!」
「君たちは行かないのかい?」
「俺たちはこれでも忙しくてな。なかなか抜け出せねぇの。」
「そうなんだ。わかった、責任持って私たちが見てくるよ。」
「実はさ、このあとにも会議が待ってんだよね。」
「じゃあ長居は悪いね。もう帰るよ。」
3人はイスを片付け、部屋を出て行く。
「明日また来いよ。」
そう言った丸井を見て、米紅は少しだけ微笑む。
「丸井くんと仲良くね。」
花梨にだけそう言い残して。
「米紅って意外と色々見てるよね。」
少しだけ照れたように笑う花梨に手を振って、3人は帰路についた。
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