幸せの道第9話2/4
『私のほうこそ、よろしくお願いします…』
最後のほうは緊張して震えてしまった。
若くんは何も言わずに隣に座ってきた。
「許すもなにも、お前は悪いことはしていない。気にしないでいい。」
その言葉に泣きそうになりながらも泣くまいとこらえる。
『ありがとう…』
小さくつぶやくと若くんはそっと私の手を握ってくれた。
「俺は忍足さんと違って付き合った経験とかないからわからないことが多いが…それでもいいか。」
『気にしないよ。若くんが隣にいてくれれば。』
私がそう言うと若くんはさっきよりも増して顔を赤くしてた。
『ふふ、照れてる?』
久しぶりに前みたいにからかってみたくなって、若くんの顔をつっついてみた。
「なっ!照れてるわけじゃない。」
説得力のない顔に、私は笑いながらつっついていた。
『顔赤いもんね。』
「お前が余計なことを言うから…!」
『本当のことだよ?』
これ以上言うのは無駄だと思ったのか、そっぽを向いてしまった。
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