幸せの道第9話1/4
『うまく言葉になるかわからないけど。』
若くんは1つ頷いて、私の目を見てきた。
『私が、ゆ…忍足さんと付き合ってたのは、自分の為です。若くんに頼らないで自分で幸せを掴もうと思ったの。』
若くんに迷惑かけ続けるわけにはいかなかったから。
『私が離れれば若くんも幸せになれるって思ってた。重荷が消えるんだって。』
私は彼の負担でしかないって。
『忍足さんと付き合うことになってから気づいた。私は若くんが好きだったんだって。でも遅かった。それに若くんに迷惑だと思ったから言えなかった。』
ずっと気持ちを隠してきた。
『忍足さんはとっても優しくしてくれた。だから、私の道は間違っていないって納得させてた。……でも本当は辛かった。』
忍足さんに一度だけ聞かれたことがあった。
¨日吉のことは良かったのか¨
胸をはって、はいと言うことができなかった。
『私にこんなことを言う資格はないのかもしれない。でも言わせてください。私は若くんが好きです。もし、許してくれるならば――』
私は一回、深呼吸して言う。
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