幸せの道第7話3/5
『いいよ。ブランコ乗ろ!』
誰もいない公園に入ってブランコに乗る2人。
『懐かしいね〜。2人でどっちが高くこげるかとかやったよね。』
友紀はキコキコとブランコをこいでいたが、日吉はただ座っているだけだった。
「友紀。」
ひどく緊張した声で日吉は呼んだ。
『うん?』
友紀はこいでいたのを止めて、日吉を見る。
「真剣に聞いてほしい。」
いつもより真剣な目に頷くことしか出来なかった。
「お前は俺の好きな人は誰かって聞いたな。」
友紀はこくっと頷く。
「俺の好きな人は友紀、お前だ。」
『え?』
時が止まったように2人の間に沈黙が続く。
「お前が好きだ。それが言いたくて誘ったんだ。」
『冗談は止めてよ…』
「冗談じゃない!俺は前からお前が」
『止めて!私には侑士さんがいる。そんなこと言われたってもう…』
「無理やりでも奪うって言ったら?」
『え…』
「無理やり取り戻す。」
『止めて…そんなこと言わないで…誰も喜べないよ…』
「今の状態が一番喜べへんで。」
2人がバッと振り向くと後ろには忍足がいた。
- 36 -
[*前] | [次#]