幸せの道第7話2/5
『若くんと帰るのいつぶりだろうね。』
友紀は心のすみっこで忍足に悪いと思いながらも、嬉しいと思っていた。
少し前までは当たり前だと思っていた日吉との登下校も、今では全くといっていいほどなかったから。
「けっこう前だな。お前があの人と付き合う前だから。」
『わ、若くんはさ、好きな人とかいないの?』
「なんでそんなこと知りたいんだ。」
『だって…私は応援してもらったから、今度は応援したいの。』
本当は違う。
日吉が好きな人と結ばれれば諦めることができる。
日吉にも忍足にも迷惑をかけない。
友紀はそう思っていた。
「…応援しなくていい。どうせできない。」
『私だって応援くらいできるよ!』
「無理だ。」
『もしかして禁断の恋とか?先生?』
「先生ではないが、近いかもな。」
日吉は急に立ち止まった。
「ちょっと公園寄っていかないか。」
友紀と日吉の目の前には小さい公園があった。
そこは2人が小さい頃、よく遊んだ公園だ。
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