幸せの道第6話5/5
俺は自分の役目が終わって、脱力する。
あんなんで良かったのだろうか。
悪い先輩を演じられただろうか。
「自分、ほんまに手がかかるわ…」
まだ痛みの残る頬をおさえる。
日吉が叩いてくることは想定外だったが、問題ない。
俺がどう思われようが関係ない。
あいつらが上手くいってくれれば。
「俺、友紀がどう思ってるか知らんけど、自分はわかるで。」
本当に好き。
最初はこんなに想うことを予想できなかったけど。
自分で驚くくらい、友紀のこと好きになった。
でも、あいつは本当は日吉が好き。
付き合ってわかった。
最初はその気持ちを隠す友紀の手助けになればって思ってた。
でも実際は苦しめているだけだった。
本当に好きな人のためなら。
自分が幸せの道を作ってあげていい、そう思った。
だから。
「幸せになるんやで…」
日吉と共に。
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