幸せの道第6話4/5


「俺は友紀と別れたいから日吉にとってくれって遠回しに言ってるんやで?俺がフったら友紀がかわいそうやろ?円満解決しようとしてるんに。」



俺はそのまま、アホやなと続けた。



「別に俺がフってもかまへんけど、俺が悪いみたいになるやん?俺、自分がかわいいから評価下げるようなことできひんねん。だか」



パシンッ!



いきなり耳元で音がして、何が起こったのか把握できなかった。



数秒経って、痛みを感じて、自分が日吉に頬を叩かれたんだと気づいた。



本当に思い切って叩いたのだろう、血の味がする。



「いっつ…自分格闘技やってるやろ?手加減して」



「…あなたがそんな人だとは思いませんでした。」



日吉の声が驚くほど低かった。



「そんな人の気持ちを考えられないような、自分勝手な人だとは思いませんでした。気にくわないけど、人の気持ちを見透かしているような人だと思っていた。」



超能力者かいなとつぶやいたら、にらまれた。



「だいたい先輩叩いてええと思ってるん?」



「俺はそんな人尊敬できない。あんたは俺の先輩なんかじゃない。」



敬語でもなくなった日吉の言葉に少し悲しくなる。



「あんたみたいな人に友紀は渡せない。俺が取り戻す。」



日吉はそう言って走り去った。



「せいぜい頑張りぃや。」



嫌われ役は辛い。



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