幸せの道第6話2/5
「友紀はほんまに俺のこと好きなんやろか。」
「は?どうしたんだよ、急に。」
「俺わからんようになってん。友紀は俺が好きなのか。」
「好きだから付き合ってるんだろ?考えることないじゃん。向こうからの告白だったんだろ?」
「まあな。」
俺は岳人には話していない。
日吉から離れるための交際だということ。
「気にすんなって。そんなに気にするなら聞いてみりゃいいじゃん。」
「今、岳人がものすごくうらやましいわ。」
「あ?単純だっていいたいのかよ!」
「ちゃうちゃう。本音や。」
俺もまっすぐ信じられたら辛くないのに。
「まっふられたらなぐさめてやるよ。」
ニカっと笑う岳人に、何も返事することはできなかった。
そんな仮定はすぐ近くにあるような気がしたから。
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