幸せの道第4話2/6
休みの日。
傘を返しに友紀の家に行った。
「あら、若くんいらっしゃい。」
ただ、傘を返しに来ただけなのに、友紀の母に強制的に家にあがらせられた。
「お邪魔します。」
最後にこの家にあがったのはいつだっただろうか。
とても久しぶりだ。
『は、わ、若くん!?』
友紀は居間で携帯電話をいじっていた。
「ども。傘返しに来た。」
『あ、傘ね。ありがとう。』
「若くんコーヒーでいいかしら。」
「はい。」
お構いなくと言ってから友紀の正面に座った。
昔から友紀の家に来るとここに座っていた。
来なくなってからしばらく経っているのに、不思議とその癖はなくなっていなかった。
「忍足さんにメールか?」
『え?あっ、まぁ、そんなとこ。』
友紀は携帯をパタンと机に置いた。
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