幸せの道第3話2/5
「…忍足さん、あいつは元気ですか?」
「友紀のことか?相変わらず元気でおもろいで。」
部活の時間。
向日と芥川が横で漫画の話で盛り上がっているのを横目に見ながら日吉と忍足は話していた。
「そうですか。あいつ、あんまり俺に顔を見せなくなったので。」
「俺に嫉妬してるんか?」
「…違いますよ。ただ、最近様子がわからないので忍足さんに聞いただけです。」
「そうか。」
「泣かせたりしないでくださいよ。」
日吉はそう言ってコートに入って行った。
「自分、お兄ちゃんみたいやな。」
たぶん日吉が一番聞きたくないであろうことを忍足はつぶやいた。
幸運にも、その言葉は日吉に届くことはなかった。
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