幸せの道第2話4/4


「待っててくれたんか。」



練習が終わる頃、部室の前に行くと忍足さんがちょうど出てきた。



『あの…一緒に帰ろうと思って…迷惑じゃないなら。』



「迷惑なわけあらへんやん。」



忍足さんはそう言いながら手を出した。



『えっと…?』



「手ぇつながへん?」



いきなりの展開に驚く私はどうしたら良いかわからず、あたふたしていたら忍足さんのほうから手をとってくれた。



「行こか。」



恥ずかしさで顔をあげることのできない私は地面を見ながら歩いた。



「照れた顔も可愛いなぁ。」



『……忍足さんて女の子の扱い上手いですよね。』



「手慣れてる言いたいんか?」



『あの、悪い意味で言ったわけじゃなくて。』



「わかっとるで。」



柔らかく微笑む忍足さんをみて綺麗だと思った。



『忍足さんは過去に付き合ったことのある人の人数とかは?』



「お、自分俺のこと気にしてくれるん?嫉妬とか?」



『そんなんでは…ただの好奇心です。』



「残念やな…トップシークレットや。」



『教えてくださいよ。』



つないでいる手をきゅっと握ると忍足さんも握り返してくれた。



「そうやな、いつか教えたるわ。」



私は小さく幸せを感じた。



学校の帰り道、日常の一部でしかないけど。



こんな日常が続いて欲しいと思った。




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