幸せの道第2話3/4


「友紀。」



『は、わ、若くん!?』



教室で忍足さんを待とうか迷っていた私は突然入ってきた若くんに驚いた。



「やっぱりいたか。」



『私に何か用事?』



「お前、忍足さんと付き合えることになったのか?」



『!?なんで知ってるの?』



まだ若くんには言ってなかった。



「今日たまたま屋上で話しているところを聞いた。」



『…そうなんだ。私たち付き合うことになったの。』



私は内心焦りながらも、表情はかえずに言った。



「…おめでとう。」



若くんは無表情だった。



彼はいつも無表情ではあるけれど、それは見る人によっては変わった。



幼なじみの私はいつも無表情の奥にある表情を読み取ることができた。



しかし今はそれもなかった。



『若くん言わなかったこと、怒ってる?』



「そんなことはない。」



そういう日吉の顔には苦笑の表情が読み取れて私は安堵した。



「これで俺もお役目ご免だな。仲良くしろよ。」



ズキッ。



なんだか痛みを感じた。



なんでだろう、永遠の別れとかなわけではないのに。



痛みに気づかないふりをして笑って若くんを見送った。




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