王者を取り戻すために2/11
「立海レギュラーがいたぞ!」
俺たちは森の中、追われている。
「追え!逃がすな!」
「…行ったか。」
仁王先輩がつぶやく。
「はぁ、はぁ…」
俺は呼吸をととのえる。
「何で…俺たち追われなきゃ…いけないんすか!」
「俺たちが王者を奪われてしまったからだよ。」
悲しそうに笑いながら言う幸村部長。
「これは大変なことなんだぜ。なんて言ったって王者立海、だからな。」
いつものようにガムを膨らませながら言う丸井先輩。
「おかしいじゃないっすか!俺たち悪いことしたわけじゃないのに!」
「しっ!切原君、声が大きすぎます。」
「こっちのほうから声がしたぞー!」
「まずい、逃げるぞ!」
真田副部長を先頭に逃げる俺たち。
「待て!」
後ろから銃やら刀やら槍を持った人が追いかけてくる。
「む。これではらちがあかないな。」
走りながら真田副部長がつぶやいた。
「ここで捕まったら全員死ぬかもしれない。だったら…」
真田副部長は立ち止まる。
「真田副部長?」
俺も立ち止まろうとすると柳先輩が俺の手を引っ張って立ち止まることを許さなかった。
「何で…」
ズガーン!
銃声がして少し静かになる。
「真田副部長!!」
追っ手はすぐには追ってこなかった。
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