駅のホームで/幸村1/6
いつも一緒のホームにいる彼。名前も年もわからない。
確か一学期はいなかった。夏休みがあけてからな気がする。
そんな事がわかるぐらい彼のオーラは人と違う。
たとえ10m離れていても、後ろにいても。
私は彼を見つけることが出来ると思う。
今は11月。彼を見るようになってから2ヶ月が過ぎていた。
なんでこんなに彼のことが気になるのだろう。
話したことがあるわけでもなく。
笑いかけられたことがあるわけでもないのに。
ただ、笑顔の彼は見たことがある。
とても素敵な笑顔だった。
ある時、彼が女の子に話し掛けられていたことがあった。
ショックだった。彼女がいたんだ。
でも、違ったらしい。拾ったタオルを渡していただけだった。
とってもほっとした。
そして気づいた。
…私いつの間にか彼が好きになっていたんだ。
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