出会いは桜の木の下で/幸村 6/9
「でもね。」
その幸村の顔を見て何故か本当のことを言いたくなった。
「幸村様がいないのが寂しい。今までみたいに3人でバカ話したいな。」
「………情けないね。好きな子の願いも叶えられないなんて。」
「え?」
「ヤバい!包丁洗ってたら指切った〜。」
ハンカチで手を押さえながら伊弓が病室に帰ってきた。
「大丈夫?伊弓。」
「ここは病院だからね。受け付けまで行けばバンドエイドくらいもらえるよ。」
「行ってくるね。」
伊弓はまた出て行った。
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