出会いは桜の木の下で/幸村 2/9
でもそのことを忘れてしまうくらい、中学生ライフは忙しかった。
まずは友達を作って。
部活にも入って。ちなみに私は文芸部に入った。
慣れない生活をやりくりするのに精一杯だった。
だんだん慣れてきて。
ある日の昼休み、文芸部のお友達のクラスに遊びに行った。
「伊弓ちゃーん。」
「あ、米紅ちゃん。C組にいらっしゃい♪」
「結構人、いるんだね。E組は4分の1ぐらいしかいないよ。」
「ただ単に寝てる人が多いんじゃない?」
周りを見ると寝てる人がちらほら。
「ははは。そうとも言える。」
「そうだ!最近面白い詩集を見つけてね。米紅ちゃんも読む?」
「詩集?」
「そう、詩集。」
「俺の勧めだからね。保証するよ。」
いきなり伊弓の隣りの席の男の子が話に入ってきた。
「ちょっと、あんたは黙ってなさいよ。」
「ひどいね。君に勧めたのは俺だよ。」
「えーとあなたは?」
別のクラスの男の子なので名前も知らない。
[*前] | [次#]
ページ:
戻る