変わるもの、変わらないもの/日吉4/7
「若くんずるい。雪玉全部よけてる。」
「テニスボールより遅いからな。」
「テニス部恐るべし。」
「何だよ、それ。」
笑う若くん。私もつられて笑う。
「何か昔に戻ったみたい。」
私は休戦して近くの木に寄りかかる。
「若くん、部活忙しいもんね。」
「まあな。でもテニスはおもしろい。絶対あの人を超えてみせる。」
「時々、テニスしてるところ見るけど若くん、テニスをしてる時がいちばん輝いてるよ
ね。」
「そうか?」
「テニス以外で楽しいことってある?」
「そうだな……………………………………………お前といるとき、だな。」
「えっ?」
若くんはいたずらな笑みを浮かべてる。小さい頃のあの顔と同じ。
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