その中の1人/鳳2/8


それから時は過ぎて半年後。



俺は彼女に告白する決意をした。



わからないモヤモヤした気持ちと緊張が混ざって正直気分が悪くなった。



「あの、放課後音楽室にきてもらえますか?」



「いいよ。ちょうどピアノ練習したいし。」



放課後。



俺と彼女2人だけだった。



「何かな、用って。」



「実は」



緊張が増してさらに気分が悪くなる。



「…俺、君のことが好きなんだ。良かったら付き合ってくれませんか?」



沈黙が続く。



「ありがとう、鳳くん。…でも私は好きな人がいるんです。それに」



彼女は寂しそうな笑顔で言う。



「好き、と憧れ、は違うものだと思うの。たぶんわからないかもしれないけど。」



好きと憧れ…?



「とにかくごめんなさい。気持ちは嬉しいです。」



「…そっか。聞いてくれてありがとう。」



俺はそれだけ言うと音楽室から出た。




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