final/跡部5/10


『あれ、他のみんなは?』



跡部の車に乗っても運転手以外誰もいなかった。



「はっ?何言ってやがる。」



『テニス部のみんなと出かけるんじゃないの?』



「俺はそんなこと言った覚えはないが。」



『うん、言ってないね。』



「俺はお前と2人で出かけるつもりなんだが。嫌か?」



『そんなことはないけど。』



「だいたい何でテニス部と行くと思ったんだ?」



『おっしーが私を呼んだんだと。』



「…何で忍足が出てくる。」



ん?なんか少し跡部の機嫌が悪くなった?



もしかしておっしーと仲が悪いのかな?



『よく私に一目惚れしたって言ってくるから。』



「あいつの言うことは気にするな。」



ちょっと怒り気味。そんなにおっしーと仲が悪いのか。



『で、どこに行くの?』



これ以上同じ話をしていると跡部の機嫌がヤバそうなので話題を変えることにした。



「もうすぐ着く。」



やはり場所は教えてくれないらしい。



『………跡部、宿題終わった?』



「はっ、そんなもんとっくの昔に終わらせてある。」



そんなもんて…今日、それで苦しんでる人が何人もいるのに…



「着いた。降りるぞ。」



跡部車を降りると見えたのは。



海。





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