final/跡部3/10
職員室を出て。
『体育祭実行委員って何?』
「クラスから男女1人ずつ出す係のことだが。」
『私、そんな話、聞いてないんだけど。』
さっきまでの私は跡部だからとていねいにですますを使っていたが、今となっては関係ない。
『何で私なの?他にやりたいっていう子、いるでしょ?その…跡部君とならって。』
「それが嫌なんだ。俺とやれるからなんて言うやつは使えない。」
『だからって私じゃなくても』
「…いいか、要領よく話すから理解しろよ。まず、俺の周りの野次馬は使えない。俺が言ったことに従うだけだからだ。意見をくれなきゃ意味がない。」
『跡部君の野次馬じゃない子、他にいるじゃん。』
「次に部活に入ってないやつ。その方が都合がいい。そして、他の委員会に入ってないやつ。ここまでの条件に当てはまるのはお前だけだ。」
『……うっ。』
「どうしても嫌なら、今から先生に言って変えてもらってもいいが。」
『わかった、やるよ。』
つまり、野次馬じゃない子たちはそれぞれ仕事を持ってるということ。そんな人たちに負担を増やすのも悪い。
「いい返事だ。」
これが跡部と仲良くなるきっかけ。
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