君の為の嘘/宍戸7/9
次の日の放課後。
俺は1人、屋上にいた。
米紅は来てくれるだろうか。
ガチャ。
『ごめん亮ちゃん。掃除当番で遅くなっちゃった。』
来てくれたことに安心する。
「いや、そんなに待ってねぇよ。」
『話って何?』
「お前さ、教室で落ち込んでるらしいな。」
『え…ち、違うよ。た、体調が悪かったの。』
「……俺は何年もお前といる。そんなこと嘘だってわかるんだよ。」
『亮ちゃん…』
「お前が話す気がないなら俺が推測で話すがいいか?」
米紅はつらそうな表情をして何も言わなかった。
「お前はなぜか俺と離れたくて嘘をついた。彼氏ができた、と。」
『………違うよ…』
「でも彼氏ができてないのはあってるんだろう?」
『私は………』
米紅は涙を流してた。
『私はただ亮ちゃんに幸せになってもらいたくて……』
「幸せ?どういうことだ?」
『亮ちゃん、優しいからいつまでも私と一緒にいるでしょ。それじゃあいつになっても幸せになれな……い』
「ふぅ…お前そんなこと考えてたのかよ。」
『だって…』
「俺はそんなことないぜ。」
勇気を出すんだ…
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