君の為の嘘/宍戸4/9


「で、なんだよ、話って。」



お茶を入れながら聞いた。



『あのね。』



俺は食卓の米紅が座っている正面に座る。



『亮ちゃん、昔、私に好きな人はいるのかって聞いてきたこと覚えてる?』



「あ、ああ。確か小4の時だったな。」



『その言葉、今の亮ちゃんに聞いてみたいんだ。』



つまりは俺に好きな人がいるのか聞きたいのか…



俺の好きな人―――――――米紅だ。



いつからだろうか。米紅を意識するようになったのは。



きっとあの話をもち出した小4の時ぐらいからだと思う。



「別に俺は……」



でも。俺は臆病のせいで告白はできない。



幼なじみへの告白というのはたぶん、普通の告白よりすごく勇気がいる。



今の俺にその勇気はない。



『そう。………私はね、彼氏できたんだ。』



え…………?





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