あんパンミルク/忍足5/7


その時。



「……誰か来た。」



私は足音が近づいてくるのを聞きとった。



「こっちに隠れよ。」



逃げようとしたそのとき。



「いたっ。」



誰かにぶつかった。



「すみませ…って跡部会長!?」



「お前ら人の家の前で何をしている。」



「いや、えっと」



「まぁ全部防犯カメラで筒抜けだがな。」



「そうですよね…ってええ!筒抜け!?取材のことも?」



「尾行の話も全部だ。」



「はぁ、せっかくのスクープ…」



「忍足の告白までしっかりとな。」



「「ええ!!」」



忍足くんもびっくりしてた。



「油断したわ…」



「人の家の前でそんなこと話してるんじゃねぇよ。」



「スクープとるつもりだったから…」



「スクープとるつもりがとられたってことだな。まっ俺はテニス部部長だ。新聞部じゃない。黙っておいてやる。」



「…なんや跡部にカリをつくってもうたな。」



「それとあんパンと牛乳だけだと栄養が偏る。注意しな。」



よくわからない台詞を残して跡部会長は家に戻った。



「俺らも帰ろか。」



「うん。」



私は自転車をおしながら歩き、忍足くんは普通に歩いていた。





- 29 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -