知らない君/芥川2/9
君と初めて会ったのはあったかい晴れた日だった。
「ねぇ、こんなところで寝てたら風邪ひいちゃうよ。」
たまたまその木の下で寝ていたら知らない女の子が声をかけてきた。
「大丈夫〜、いつものことだから…」
俺はそのまま寝ようと思ったけど、その子は
「でもここ、木の下で日が当たらないし。」
と続けた。
なんとなくその子はひいてくれない気がして寝るのを中断した。
「君、なんでここに来たの?」
「ここ、私のお気に入りの場所。人少ないし、風が気持ち良いし。」
「俺、邪魔しちゃったんだ〜。ごめんね〜。」
「いいよ。ここに来てくれたの、あなたが初めてだし。」
「そうなんだ〜。…じゃあまたここに来ようかな。」
「えっ?」
「ここ、風が気持ちEからね。」
俺は笑いながら言った。
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