忍び隊V 第2話2/4
幸「ねぇ、忍。ちょっと教えて欲しいんだけど。」
『はい?』
幸「なぜあの子は俺のことを運命の王子様だなんて言ったんだい?心当たりがあるって言ったよね?」
精市さんの言葉に蓮二さん以外はきょとんとしました。
切「運命の王子様?」
幸「朝そう言ってたんだよ。」
みんなはじーっと精市さんを見た後、笑い始めました。
丸「幸村くん、王子様って!」
仁「似合うと言えば似合うが運命の王子様とは…」
幸「………何か?」
全「なんでもありません。」
みんなは笑うのをピタッと止めました。
『実はそのことなんですが…』
少し昔の話になります。
私たちが小学校低学年の頃の話です。
お金持ちで顔もかわいく、気立てもよい子だったのですが、自分には足りないものがあると言っていました。
それが運命の王子様です。
自分を想い、守ってくれる騎士がいるんだと言っていました。
詩織はいつか運命の王子様に出会うんだ。
それがその頃の口癖でした。
『…大きくなってからは表立ってそんなことを言うことはなくなりましたが、たぶん心のどこかで求めていたんだと思います。』
柳生「なるほど。ですが、なんでいきなり幸村君が王子様なんです?」
『雰囲気、ですかね?精市さん確かに王子様っぽいですよ。』
めったに見られないような美形ですからね。
幸「一応誉め言葉として受けとっておくよ。」
『まぁ理由は本人に聞いてみようと思います。とりあえず、詩織ちゃんが裏テニス部の話をしそうになったら阻止してください。』
私は詩織ちゃんにことの真偽を聞くために早くミーティングを終わらせました。
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