合宿
05 明Side


全校が揃ったところで、この合宿を提案らしい氷帝学園の部長から、ちょっとした挨拶があった。
まあ要は「思う存分楽しめ」ってことだった。その瞬間、四天宝寺の「フゥー!」という歓声がすごいのなんの。
楽しいことが大好きな人達だから、氷帝学園の部長の言葉に盛り上がるのも頷ける。目立ってちょっと恥ずかしかったけど。

挨拶が終わり、各校の部長に部屋割りの表が手渡された。
部屋の場所の把握と、荷物を置きに行くらしい。
私、四葉、竜崎さん、小坂田さんの4人部屋の為、4人で一緒に部屋に行く。
初対面の子達と同じ部屋っていうのは緊張するけど、私達のほうが年上だし、緊張をほぐしてあげなきゃ。



「わっ! このベッドふかふかー!」



って思ってたけど、心配なさそうかな?
部屋は4人で使うには十分すぎる広さで、ベッドも大きい。小坂田さんはベッドのふかふか具合に喜んでいる。
小坂田さんって、なんとなくユキちゃんに似てるかも。天真爛漫なところが。
竜崎さんは……、控えめなところがおシゲちゃんっぽいかな? まだちゃんと性格知らないけど。
……っていうか、



「四葉、何やってんの?」



窓から外を見たまま動かない四葉に声をかける。
荷物はまとめて床に置いてあるけど、四葉は「んー」と言いながら、そこから動く気配がない。
またグラウンドに集合するよう言われているのに、どうかしたのだろうか。
仕方なく、四葉の隣に並び、四葉と同じように窓の外を見る。



「……鳥?」
「うん、鳥。コゲラだね」



私の言葉に、四葉が頷く。
窓の外、さんの部分に鳥がとまっていた。目線は四葉を向いていて、何度も首の角度を変えている。
よくこんな距離で逃げないなあ、と感心する。四葉ってば本当に動物に好かれやすいんだから。
四葉を見ると、鳥を愛でるように笑みを浮かべていた。連れて行かないとずっとここに居そうだ。
「行くよ」と声をかけると、四葉は名残惜しそうに鳥を見ながら「うん」と頷いた。この動物好きめ。

グラウンドに戻る道中、私達4人はたくさんお喋りをした。2人共めちゃくちゃ話しやすい。
そんな中、桜乃ちゃん、朋ちゃんと呼べるようになったのは大きな収穫だろう。やったね!

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